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終わりのために ページ21

「…殺し合い、だと」


ユキナリの信じられないと意味を含めた呟きに誰も返さない
コウは薄々分かっていたのか


(殺し合い、ここでリンタロウは彼らを試そうとしているのか)

それは恐らく生きているであろうミサキさんも同じなんだろう


「さらに、さらに私からのサービスです!!」


メリーが取り出したのはフィクションの作品ではお馴染みの一般市民が使うことは法律に反する銃


『本物…』


「弾は六発しか入ってないので注意しろ」


ずっしりと伝わる本物特有の重さに私はしばしばそれを眺める


「ここまできて、結局出れるのは1人だけというオチか…」


「最後に殺し合いだなんて…。せっかくみんなと仲良くなったのに」


最初から仲良くなるつもりなど毛頭ないリンタロウに目を細めてしまうのは仕方がない


正直、デスマッチがあろうがなかろうが私のやることは変わらないのでピストルは必要ない


「そして最後に!!今から数字の書いたカードを引いてもらいます!!
その数字の順にこの部屋を出てもらいます!!
この部屋を出た時点から、狼デスマッチのスタートです」


そう言って配られたカードに全員が引いていく
私の番号は2と記されている


(どの番号でも良かったけど…出来ればリンタロウより先だといいな)


彼は私を守ろうとするだろう。それは、何としても避けなくては


ふう、とひと息ついてから私はピストルを持ち上げた


「え…」


「お前なにをっ…」


片手で持つには重すぎるなあ、そう考えて引き金を引いた


『………これで六発』


一回、二回、三回と合計六回引き金を誰もいない場所に向けて引いた

突然の行動にユキナリもコウもリンタロウも驚愕しているようだった


キーンとする耳に苦笑を浮かべピストルを放り投げた


『これで私は丸腰なんで、生き残りたい人は一番に狙いにくるといいよ』


「な、なんで…」


『私はこの馬鹿げたゲームを放棄するって意味だよ』


平然と言い切った私にリンタロウが微かに動揺したのを見逃さないほど私は彼に想いを抱いているのだと気がついたのは遅すぎるな

終わりのため→←密室の謎



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橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!今後とも応援しています!頑張って下さい!(*´ω`*) (2022年6月13日 10時) (レス) @page46 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶 - 面白かったです!蜜柑さんの作品が1番好きです!これからも頑張ってください! (2020年3月10日 20時) (レス) id: 203f8de236 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - カルビさん» コメントありがとうございます〜!こ、コツですか……具体的にどのようなコツでしょうか? (2020年2月4日 22時) (レス) id: f7e2178304 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ - お話読みましたが凄いです。なにかコツとかあれば教えてください、 (2020年1月30日 14時) (レス) id: 9d5eab3caf (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 涼花凛娘さん» ありがとうございます!金曜日か土曜日あたりに作成できたらいいなと思っているので良かったら是非…! (2018年7月4日 22時) (レス) id: f7e2178304 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年4月26日 21時

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