5 〜その本は〜 ページ5
本を捲る。ぺらり…そんな音と共に紙の感触が伝わってくる。
凛「……電子版より紙の方が…」
私の何気ない独り言はキッチンに入ってきた人の声によって、掻き消されてしまった。
「凛ちゃーん!」
うるさい。そう心から思った瞬間だった。
凛「…耳が痛いです。…………なんでしょう、マイクさん」
小説のページを捲りながら、訊き返す。
マイク「あ、ごめんね。…ねぇ、まずその本から目離そうよ」
マイクさんが言う。私は、しぶしぶというふうに小説から目を離し、彼の方へ向き直る。
凛「はい、これでいいですか?」
マイク「おっけー!」
凛「で。なんですか?」
マイク「暇そうにしてたから、声かけたんだけど…。あ、ねぇ、その本どんな本?」
そんなに暇そうにしていただろうか。…そうなのかもしれない。…どんな本…?
凛「この本は…ある病気の少女が恋をするのですが、病気により、その恋が叶うことはなく…と、まぁ、よくある悲恋ものですかね」
マイク「へぇー…。なんか寂しいね。」
寂しい…寂しい…か。もう寂しいなんて思わなくなってしまったな。でも、そのまま口にするのはあまり良くないかもしれない。
凛「……そうですね、寂しいですね」
彼のような明るい人と会話を続けるといつかボロが出てしまいそうだ。会話を終わらせよう。そう思い、ただ一言だけ告げる。ふと炊飯器の方に視線を向けるともう少しで出来上がりそうだった。
凛「もう少しで出来上がるのでリビングで待っていてください。」
そう伝えてから必要な食器を取り出し始めた。
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猫好きなミカン スマホ(プロフ) - 死柄眼残夏さん» ありがとうございます!投稿も気まぐれで文才もないですが、楽しんでいただけて嬉しいです! (2021年6月13日 22時) (レス) id: 179f8ee20a (このIDを非表示/違反報告)
死柄眼残夏(プロフ) - 逆トリップも第五人格も大好きです!!!!!気になって読んでみたらとても面白くて!応援してます!!!!!頑張ってください!!!!! (2021年6月12日 9時) (レス) id: 43c43a1464 (このIDを非表示/違反報告)
猫好きなミカン スマホ(プロフ) - 【湖の宝石】さん» わぁ!ありがとうございます!更新も遅いし、文才もなく面白くはないかもですが、これからも見てくださると嬉しいです! (2021年5月9日 0時) (レス) id: 179f8ee20a (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - 逆トリップ系小説私の大好物です!更新頑張ってください! (2021年5月2日 14時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫が好きな謎の生物 | 作成日時:2021年3月1日 19時