一話 過去 ページ2
綾乃
お腹空いたな｡
此処に閉じ込められてから何日たったかな｡
最後にお空を見たのは何時だっけ？
真っ暗なお部屋には何も無い｡
私には重過ぎる手枷に首輪｡
それを壁に繋ぐ鎖｡
他には何も無い｡
もう此処が寒いのか暑いのかさえ分からない｡
唯一の窓にはしっかりと鉄格子が嵌まっていて｡
扉には鎖のせいで近づけない｡
扉が開くときは大体､父さんか母さんが私を殴りに来るとき｡
ご飯は何時も扉の小さな窓から投げ入れられる｡
ふと､扉の方から音がした｡
嗚呼､また殴りに来たんだ｡
扉が静かに開く｡
殴られるのを覚悟し､目を閉じた｡
？「なんだ､お前はこの家の子か？全く､あいつらは自分の子さえまともに育てられんのか｡」
でも､入ってきたのは知らないおじさんだった｡
呆れたように話す彼は､私に向き直って､
夏「わしの名は､夏目漱石｡お前､わしと共に来ぬか？もう二度とこんなことが起きぬように保護してやろう｡」
他人は嫌いだ｡
何を考えているのか分からないから｡
でも､この人の言うことには安心できた｡
差し出された手を掴もうと手を伸ばすが､そこを手枷が邪魔をする｡
『ごめん……なさい｡出られません｡』
床に座り込んで首を振る｡
彼は､ほうと呟いて鍵の辺りを弄ると
ゴトン
ずっと手首にあった手枷が床に落ちた｡
立て続けに首輪も取れ､完全に自由の身｡
驚いて､彼を見上げると
夏「之でわしと一緒に来れるな？」
不敵に笑っていた｡
何故かは分からないけど､私は彼の手をしっかりと取った｡
『はい､夏目様｡』
之からずっと､この人と共に生きよう｡
ゆっくりと立ち上がり､扉へと歩く｡
新しい人生に心を弾ませながら｡
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まむまむ(プロフ) - 更新有難うございます！楽しみに待ってた甲斐がありました！ (2018年7月27日 14時) (
レス) id: 0e07c2f705 (このIDを非表示/違反報告)
モルカ(プロフ) - 更新お待ちしておりました!!続き待ってます(＾∇＾) (2018年7月27日 13時) (レス) id: 35de75094a (このIDを非表示/違反報告)
まむまむ(プロフ) - 続き待ってます！ (2018年7月17日 20時) (レス) id: 0e07c2f705 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - 椿さん» 可愛いですよねぇ｡私でも何でこんな可愛い子が書けるのだろうと不思議です｡更新､頑張ります！ (2018年1月28日 19時) (レス) id: 803b2655e5 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 綾乃ちゃん、めっちゃかわいいw嫁にほしいっすね。いゃ本当に。次回の更新も、楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2018年1月28日 18時) (レス) id: e69fa0a1e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんかん | 作成日時：2018年1月13日 18時
