解決…? ページ13
『いだだっ!いだだだ冨岡さん痛いですいい加減離せ下さい!!!』
少し強く握りすぎたようで、痛そうにしていたので手を離す。
「……」
相変わらず彼女は俺を冨岡さん、と呼ぶ。
「_居たと思ったら、何してるんだ一体…」
不意に、その声の主が人混みの中から此方に来た。
あ、錆兎…すまない
『エッ!!ア、さ、さささ_錆兎!?』
「挙動不審過ぎないか?」
…錆兎だけ羨ましい、と少し思ってしまった。
『_錆兎って巨人族だったっけ。』←
「何云ってんだ?」
何故俺は他人行儀で話すのに、錆兎には親しげなんだ。
錆兎が凄いのも、良い奴なのも知っていたが、俺はそこまで距離を置かれるのか。
何かしてしまったのだろうか…
「…A」
『あ、はい冨岡さん。…如何したんですか?』
「……(矢張り、敬語なのか)」
『??』
「義勇、黙ってても伝わらない。男ならもっとはっきり話せ」
錆兎が言った
頭の中で悶々とした感情をできる限り纏めて、何とか言葉に出す。
「……何故なんだ?」
『……何が?』
上手く纏まったつもりだったが、あまり伝わっていないようだった。何故なんだ。
『えぇっと、冨岡さん。幼子にも分かるように、思ったこと全部言って下さい。誰も怒らないので』
幼子伝わるように、か。
そうか、幼子…もう一度今のことを考えて言葉にする。
「…何故、名前で呼ばないんだ?錆兎は普通に呼んでいるのに…」
『ん”ん”ん”n((殴』
Aが突然可笑しくなった。
…本当に大丈夫か?
心配とは裏腹に、気持ちが伝わったらしいAは、俺の名も前の時のように呼んでくれるようになった。
その後、俺たち(といっても殆ど錆兎)の集めた情報を基に、Aが鬼の居場所を突き止めた
__錆兎とAが言うには、どうやら西町の住民が山に社を作って匿っているらしい。
そして西町の山の前まで来たとき。
鬼の微かな気配を感じる中、町人が追い払う言葉を掛けると同時に、ずっと穏やかだったAが遂に怒った。
それが冒頭の言葉だ。
俺には目の前の町人の行動が理解が出来なかった
俺は、無意識の内に目の前の町人を俺自身と重ねていた。
蔦子姉さん失ったのも、錆兎を失いそうになったのも_俺の弱さであり、鬼が存在するが故だから。
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餅月 猫(プロフ) - 続きを!お願い!!します!!!更新待ってますっっっ!!! (2021年6月30日 1時) (レス) id: 13a520387c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇月 x他1人 | 作成日時:2020年5月21日 22時