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短く浅い呼吸を繰り返すゴンくんと、男を一瞥する。
『なんであなたはターゲットである私を見逃す必要があるの?』
「言ったろ、俺はお前の強さが分からないんだ。俺の尾行に気づいていながらお前は撒くことしかしない。撒かれる時点で俺の方が劣っているかと思いきや…お前が狙うのは格下ばかり。……そういう未知の相手との戦闘は、こういうところでは極力避けたいもんだろ?」
なるべく勝てる確信のない戦闘はさけたいってことか。そりゃそうだ。
現に私と彼、身体能力なら彼の方が上だろうが、念能力を知っていると知らないじゃ天と地の差がある。彼はそれを知らないから私の実力を測り損ねている。
『それで私のプレートを狙わず、一点のプレートを三枚集めることにしたわけ?』
「そういうことだ。丁度そのガキとヒソカのプレートで二枚ある。あと一枚は、適当な奴から奪うさ」
『あなたの言う適当な奴、もうそんないないと思うけど』
雑魚と言ってもここまで生きて勝ち上がって来てるわけだし、その中でも既に二人分のプレートを私が奪い取ってるわけだし。
あなたがその吹き矢で勝てる相手、いるかな…。
なんて若干失礼なことを考えていると、男は「そこで提案だ」とにやりと笑った。
「お前にガキのプレートをやる。その代わり、お前の持ってる、お前にとって一点にしかならないプレートを二枚、俺によこせ」
『!』
「お前のターゲットがそのガキってことは確認済みだ。それでお前は六点。俺も俺のプレートと、そこのガキのもってるヒソカのプレートと、お前の二枚で六点だ」
……そうか、これが目的だったのか。
そういえばコイツは、キルアに私のターゲットがゴンくんだと教えた時に、いたんだった。
「お前は端から、そのガキのプレートを取る気は無かったみたいだが…どっちにしろ俺に取られるんだ。この際だ、もう一枚探す手間が省けて悪い条件じゃないだろう?」
持ち手によってプレートの点数が変わるこのゲームだからこそ考えられる手法。だが、まるで名推理でもしたかのように誇らしげに語る男に、考えるのもアホらしくなる。
私がゴンくん(とヒソカのプレート)を守って、お前から残りの一枚を取るという可能性は考えなかったのかな?
つまり君はここで、
「…げぇむおぉばぁ、さ◇」
聞こえた声。
傾く男の体、飛び散る鮮血。
私のトラウマ。
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ノーレー(プロフ) - 久々にHUNTER×HUNTERにハマって帰ってきたらパスワードかかってたんだが…悲しすぎてつらい (5月2日 17時) (レス) @page19 id: 2e479ce041 (このIDを非表示/違反報告)
みりん。(プロフ) - 久しぶりに見たら続編にパスワードが…… (2020年3月3日 2時) (レス) id: 7d98ce980d (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - とても面白いです、、、!続編見たいのにパスワードが、、、( ; ; ) (2020年2月24日 19時) (レス) id: f5ceaf5555 (このIDを非表示/違反報告)
あおり - 更新楽しみに待っています!久々に見ようと思ったら無くなってて焦ったんですが、また戻っててよかったです!面白い作品です!気長に待ってます!頑張ってください(*¨*) (2020年1月13日 22時) (レス) id: 33577d4864 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキューlove - ハイキューの方もハンターハンターの方も何回読んでも笑えます。未確認さんの書き方大好きです!これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2017年7月25日 12時) (レス) id: 71aedbb3ec (このIDを非表示/違反報告)
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