86 (クロロ視点) ページ42
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旅団を結成して、数ヶ月経った頃だろうか。盗みを主にする俺たちに、早くも厄介な能力者が立ち塞がった。
物や人の位置を操作する能力。金庫に入っていたはずの宝はなく、金庫に辿り着いた筈の俺達はまた違う場所に。その能力自体に殺傷能力はほぼないのだが、宝が無くなっていることや、その間に増援がくることは当時の俺達にはリスクがあった。
「…ミョウジ家を潰そう」
そうなることは必然だった。
ミョウジ家の素性はほぼ明かされておらず、優秀な情報屋を雇っても特定はかなりの時間を要した。しかし拍子抜けしたのが、ミョウジ家は一族とは名ばかりの家族はたったの3人構成。男とその妻と娘。
その上念能力に優れているとはいえ、普段の身体能力は一般人のそれ程度しかなく、いくら極めても俺たちクラスに勝ることはない。
数でかかれば問題ない。多少苦戦したが夫妻を倒すと、残るは血を被り膝を抱えて丸まる娘が一人。万が一、放っておくと後に面倒になるかもしれない。ここで殺しておこうか。
俺と二つしか違わない少女の前に立つ。これから起こることを理解できない年でもないだろうに、逃げようともしない娘に、自暴自棄になったか恐怖心が上回っているだけかと思ったが、
「…違うのか」
俺を視界にもいれず、倒れた両親をぼんやりと眺めている。俯き気味の顔をあげさせると、頬や首、腕にも痛々しいほどの痣。虐待か。今どき珍しくない話だが…。
……雇った情報屋が言っていた。ミョウジ家はより優秀な子を産むために子を一人しか作らない。血は濃く受け継がれ繁栄しない代わりに強さを手に入れた一族だと。その中でも素の身体能力が男に劣る女は、産まれることを望まれない。ましてや今年の娘は、まだ人を殺したことがない、出来損ないだと。
望まれずに、生を受けた者。
ようやく俺を視界に入れた娘は、これから起こることを理解していた。ただ、理解しているだけで、死を受け入れた瞳ではなかった。これから死ぬとわかっていながら、この理不尽をどうしようもなく嘆いていた。
それを見て、俺は……同情でも、したのだろうか。
「……パクノダ、この娘の記憶を消せ」
「OK。なんの記憶？」
「全てだ」
空白の記憶を銃に詰めたパクノダが引き金に指をかける。この娘が本当に出来損ないであればもう出会うことは無い。もし違うのであれば…。
「ーーその時は……」
静かな銃声が響き、燃える屋敷から少し離れたところに彼女を置いて俺達はその場を去った。
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うさぎもち - 私、この作品すっごく好きです！！！夢主ちゃんの性格もめっちゃ好きです！ (11月22日 16時) (
レス) id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - パスワード教えてもらいたいです！この作品の続きが気になりすぎてねむれません！ (2020年4月29日 5時) (レス) id: be75996472 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 最近、H×Hにはまってこの作品を見つけ、虜になりました。この作品の続編にパスワード保護がかかっているのですが、パスワードって教えてもらえませんかね…？凄く凄く続きが気になります！ (2020年4月16日 14時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - 紅蘭さん» 不安定なペースですが、勿体ないお言葉までありがとうございます…！へへへ残念な性格ですが、そう言って貰えて主も喜んでいると思います。これからも頑張ります(っ'ヮ'c) (2017年5月27日 1時) (レス) id: d2e199629a (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - サメ子さん» コメントありがとうございます(*´∇｀*)そこらへんはしっかりブレない主です！ｗｗ ハイキューの方も！そう言って貰えて本当に嬉しいです！これからもよろしくしてやって下さい…！()応援ありです！ (2017年5月27日 1時) (レス) id: d2e199629a (このIDを非表示/違反報告)
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