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ビルの中に入り、黒いスーツの男に連れられエスカレーターで上に昇る。
そしてとある部屋に入ると既に、同じく雇われた殺し屋が6人と、雇い主側のガラの悪い男が数人いて思わず尻込みしそうになる。
部屋に入ってきた私達をみて指を折り人数を数える顔の怖い豆みたいな男(失礼)。
その目が一瞬私を見て、女かよ…って感じの顔をしたのはまぁ仕方ないよね。私もこんな厳ついチームに弱そうな女がいたらそう思うもん…。
「…9、全員揃ったようだな」
「いやまだだ」
「ん?チームは9人のはずだろう」
「ノストラードが一人、新たにつれてくるそうだ」
「ちっ、あのインチキ占いのおべっか野郎か?」
ノストラード。豆男には随分と嫌われているようだ。けどその名前にどこか聞き覚えがあって、まさか…と頭の隅で思う。
少しして開いた扉から入ってきた彼に予想が的中して目を見開く。揺れた私のオーラに気づいたシルバさんとゼノさんが彼に目をやる。
『(ーークラピカ氏、)』
レオリオ氏が、クラピカ氏はノストラードに雇われたみたいな話をしていた事を思い出す。それを覚えていた私の記憶力も褒めて欲しいけど、よりによってこの殺し屋チームになぜ彼が。
……、復讐か。
初めて出会った時と変わらない相変わらず中性的な顔立ちではあるが、その時よりかは随分と引き締まった顔にまるで別人のようだ。
誰がどう生きるかは自由ではあるけど、こっちの世界ではあまり関わりたくないなぁ。私は顎にかけていたマスクを鼻まであげて、キャップをかぶり直して前を向いた。
依頼と指示を改めてまとめた豆男に、集まった殺し屋の一人が会話を始める。この空気で一番最初に口を開くとかコミュ力高いな。
「一応同じ標的を狙うチームだ。連絡の際の呼び名を決めておこうか」
「色でいいだろう。俺はブルーと呼んでくれ」
色とか逆に覚えるの面倒くさいとか思わないのか…。直接だろうが電話越しだろうがブルーとか言われても、は?としか思えん。続いて「俺はレッドで」とか言い出す彼らに、私はおいお前とかで十分ですわ…と遠い目。
それを見て「まるでごっこじゃのう」と鼻で笑ったゼノさん。
「あ?お前らは」
「シルバ」
「ゼノじゃ」
一瞬シルバさん乗る気かと思ったけど、ですよね!
本名だと知り困惑する彼らに、呼ぶのは自由だが指示は受けないときっぱり言い切ったシルバさんに、流石だなぁ…と他人事のように思った。
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うさぎもち - 私、この作品すっごく好きです!!!夢主ちゃんの性格もめっちゃ好きです! (11月22日 16時) (レス) id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - パスワード教えてもらいたいです!この作品の続きが気になりすぎてねむれません! (2020年4月29日 5時) (レス) id: be75996472 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 最近、H×Hにはまってこの作品を見つけ、虜になりました。この作品の続編にパスワード保護がかかっているのですが、パスワードって教えてもらえませんかね…?凄く凄く続きが気になります! (2020年4月16日 14時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - 紅蘭さん» 不安定なペースですが、勿体ないお言葉までありがとうございます…!へへへ残念な性格ですが、そう言って貰えて主も喜んでいると思います。これからも頑張ります(っ'ヮ'c) (2017年5月27日 1時) (レス) id: d2e199629a (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - サメ子さん» コメントありがとうございます(*´∇`*)そこらへんはしっかりブレない主です!ww ハイキューの方も!そう言って貰えて本当に嬉しいです!これからもよろしくしてやって下さい…!()応援ありです! (2017年5月27日 1時) (レス) id: d2e199629a (このIDを非表示/違反報告)
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