【HUNTER×HUNTER】運命とは厄介なものである。

64 ページ20

・




7月9日。
今日知ったんだけど、なんと明日はゴンくんとヒソカの試合があるらしい。



「さぁ！それでは修行の成果を見せてもらいましょうか」


ウイングさんが言う。

…ゴンくんとキルア。念を覚えてまだ半年も経っていないのに、その成長は目を見張るものがあった。
修行の成果を見せるために、一ヶ月ほど前にした水見式でもう一度練をすると、一ヶ月前とは比べ物にならないほどの変化が現れた。キルアの水は蜂蜜のように甘く、ゴンくんは水の量が急激に増えその勢いでグラスにヒビが入ってしまうほどに。

その成果にゴンくんとキルアはウイングさんから卒業を告げられ、喜ぶ二人。
ズシくんは二人との差に驚愕し、もう少し修行が必要だと言われ落ち込んでいたけれど、彼なら大丈夫だろう。



「ゴン＝フリークスくん。裏ハンター試験、合格！」


それとは別に、裏ハンター試験の合格を言い渡されたゴンくん。ウイングさんはネテロ会長に頼まれ雇われた、この裏ハンター試験の試験官であったようだ。知らなかった…。
念を習得することがハンターになる最低条件とか、ライセンス渡された時点で試験がまだ続いてるとか誰も思わないでしょう！

因みにヒソカやイルミさんと私は初めから念を習得していた為、既に条件に満たしていたから特になにもないらしい。



その日の夜、よく行くお店でゴンくんとキルアと三人で夕食をとっていた。

ヒソカとの試合を目前に、高揚して震えるゴンくん。
その私にはない真っ直ぐな意思と戦闘意欲、すごいなぁ。尊敬する。欲しいとは全く思わないけどな。

能力はまだ作ってはいないようだし、どんな戦い方をするのかあまり興味はないけれど、とりあえず一発はあの顔面に拳を入れてほしい。願わくは私の分もお願いします！
なんて、今のゴンくんにそんなことを考える余裕はなさそうだ。



『ゴンくん。明日の試合頑張ってね』

「Aさん…ありがとう…！」


私に出来るのは、彼の体調を万全にしてあげるくらいかな。私のもう一つの能力である【犠牲操作】をゴンくん相手に使うのは飛行船と二回目だけど、バレないようにさり気なく能力でゴンくんの疲労を受け取る。
既に万全だったようで特にダメージはこなかったけれど、多少は体が軽くなったんじゃないかな…！

そんなにしてやる義理はないのに、何気なく絆されてるから仕方がない。だってゴンくん可愛いんだもん…。



･

65→←63

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す