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81 わたしときみの世界事情 ページ7







ひゅう、と体育館に吹き込んだ夏の生暖かい風に我に返る。

……なにか、言葉を返さなくては。脳内で色々な偽りの言葉が浮かんだが、どれも適切だとは思えない。それに今嘘を言ったところで、恐らく赤葦さんには気付かれてしまうだろう。

だから私は、考えるのを止めて、思ったことを隠さずそのまま口にしようと震える唇を動かした。喉が渇いたな、なんて頭の片隅で場違いなことを思った。



『、あの』

「ストップ」

『エッ』




しかし、口を開いたところで赤葦さんに止められた。それに思わず驚きの声をあげてしまったが、赤葦さんを見ると、彼はゆっくり首を横に振った。


「返事とか、そういうのは今はいらない。ただ、少しは俺も恋愛対象として見てほしい、かな」


スッと目を細めて僅かに笑った赤葦さん。その笑みがもう既にいつもの赤葦さんに戻っていたからこそ、つられて私も小さく笑った。



『……デブスにもモテ期到来ですかね…』

「Aさんはそこまでデブでもブスでもないよ」

『そこまでって辺り赤葦さんって正直者ですよね殴りますよ』

「冗談だって。Aさんは可愛いよ」

『殴りますよ』

「どっちにしろ」



クスクス笑った赤葦さんは「食堂閉まるから急ごうか」と体育館を出た。
私も続いて体育館を出たのを確認して、最後に鍵を閉めた赤葦さんは、私を見てフッとまた笑った。




「やっぱり、Aさんはずるいね」

『、??』

「顔、真っ赤」

『ッ!……み、見ないで下さいよ変態』

「変態って」

『あーほらもう忘れて下さい記憶から抹消して下さい』

「それは無理かな」

『くッ、もう先に行ってますから!』

「はいはい」




……そういえば、黒尾にも似たようなことを言われた。

けど、こればかりは仕方ない。

恋愛を好んでいなくても、例え相手に恋愛感情をもっていなくても。
人として好きな相手に告白されて、冷めていられるほど私に耐性なんてない。


……ああ、もう。









 




『(……イケメンってホントずるいな…)』

「(……黒尾さんも、こんな気持ちだったのかな)」




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マニ。(プロフ) - 未確認歩行物体さん» ✉️。この作品もとても面白いです!これからも応援してます! (11月22日 14時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 私、占いツクールで布教活動をしているのですが、この作品のシリーズ、とても好きなので布教してもよろしいでしょうか? (2022年3月24日 22時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - mooさん» はじめまして!わーい、たくさん褒めて頂きとても嬉しいです(*´∀`*)こちらこそコメントありがとうございました!( ´ ▽ ` )/ (2021年8月9日 10時) (レス) id: a04ea61aea (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 初めまして、モテ期到来からの各ルートとオマケまで読めて最高でした!ありがとうございます!! (2021年7月7日 16時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - きゃーぽんさん» きゃーぽんさん、コメントありがとうございます!完結してから4年経った今でも、この作品を見つけて読んでくださった方がいる事がとても嬉しいですヽ(;▽;)ノお褒めの言葉まで頂き、本当にありがとうございます!! (2021年5月18日 22時) (レス) id: d428059590 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未確認歩行物体 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年1月25日 17時

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