□日向翔陽との出会い2 ページ8
▽(日向翔陽視点)
「夏ー!」
ヤバいこれはヤバいぞ俺!
目を離した隙に夏がどっか行ったぞ!
どっどどどどうしよう!!
妹の夏と山を一つ越えたところにある商店街にお使いを頼まれた。俺一人でいいって言ったのに!
自転車の荷台に乗せるのはまだ危なっかしくて心配で目も離せない。
なのに、来年には絶対に入学すると決め込んでいた烏野高校が遠くから見えて。つい自転車を止めてなんとか見える白い校舎の壁を夢中で見つめていた。
だから夏が俺の腰に回した手をほどいて荷台から降り歩いていったことに気づかなかった!
「夏ー! おーい、夏ー!」
辺りを見渡してもいないし、どこいったんだよ!
拐われたりなんかしてたらどうしよう!
ああああ、と混乱してチャリをとばす俺。
ヤバいヤバいヤバい。
だけど、俺の心配はすぐになくなった。
『あ!ねぇ、君!』
「え?」
「あっ、お兄ちゃん!」
夏と手を繋いだ女の子が俺に声をかけてきたのだ。ッ、夏!
『良かった、お兄さんで合ってた』
「あっ、ごめん!夏が、ありがとう!」
『いいのいいの。同じ綺麗な髪の毛の色してるから、分かりやすいね』
「えっ!? あ、ありがとう!」
あは、と笑った女の子は夏の手を離して俺の方へ背中を押した。夏も迷子だったと言うのに、嬉しそうに笑っている。
けど「お姉ちゃんがアイスくれたの!」なんて言ったから焦った。
「え、ご、ごめん! いくらだった!?」
『いやいいって!逆にごめんね、君の分なくて』
ドライアイスだけど食べる?と聞かれて更に焦ったけど。冗談だったっぽいので良かった。
それから少しだけ三人で談笑した。
『…じゃあ、私はそろそろ帰るかな』
「えっ」
『夏ちゃん、もう迷子はダメだよ』
「うん!」
「えっ、あ、待って!連絡先、あとでなにかお礼、」
『いいよ、通りがかりのヒーローってことにしといてくれれば』
そう言って彼女は俺たちに手を向けて、そのままヒラヒラと手を振りカッコよく去っていった。
そうして彼女は、俺の中で小さな巨人に次ぐ、第二の憧れとなったのだ。
『(わろた、私カッコよ)』
「(なにあの子、カッコいい!!)」
もし、また会えたら。
名前を聞きたいな、なんて思ってみた。
……それから、幾日も過ぎて。
『まさか高校で再会するなんてね』
「ね!俺すっげー嬉しい!」
『照れるからやめい』
・
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未確認歩行物体(プロフ) - みそ汁さん» みそ汁さん、数年ぶりに占ツクを開いてまたこの作品を読みたいと思って貰えたこと、感無量です;;本当にご丁寧にお気遣いまでありがとうございます!みそ汁さんも体調にお気をつけて、また久しぶりの占ツクLifeを楽しんでくださいね( ´ ▽ ` )/ (2021年5月3日 13時) (レス) id: d428059590 (このIDを非表示/違反報告)
みそ汁(プロフ) - 数年の時を経てふと読み返したくなり、占いツクールに戻ってきたのですが、作成時から7年経って尚とんでもないhit数で、時を超え愛される作品を作られる作者様への尊敬の念が凄まじいです。寒暖差が激しいこの季節、どうかご自愛ください。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: 3f9c9ee0c4 (このIDを非表示/違反報告)
rinrin - うわああ!再公開本当に嬉しいですううう!!この作品が大好きすぎて毎日毎日確認しにきてました…!素敵な作品、本当にありがとうございます!!! (2020年1月2日 22時) (レス) id: 2c177e417b (このIDを非表示/違反報告)
やよい - それから未確認さん、今までありがとうございました!未確認さんへの作品を作ったのでぜひ見てください。http://uranai.nosv.org/u.php/enq/mikakuninn/ (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 実は、未確認さんへのメッセージを書いた作品を作りました。これを見ている読者の方はぜひ、参加していただきたいです! (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
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