【ハイキュー】ねえねえ、女の子は顔じゃないらしいよ。

□岩泉一との出会い ページ46

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この前、ウシワカんとことの練習試合を終えて。

バスを見送って戻ってきた及川がやけにニヤニヤと嬉しそうにしていた。負けたっつーのになんなんだよコイツ……。
うざいから何も聞かずにおいたけど。



そして。

その日から、及川関連の恋愛沙汰を全く耳にしなくなった。その代わりに及川の口から出てくるようになった言葉は “ A ” 。
なにやら及川はウシワカの下僕と言われている女に恋をしたらしい。あのクソ川が真面目に恋？どうでもいいけど何かの冗談だろ、どうせ噂にだけ流れてすぐ終わる。



……なんて思ったけど違った。

及川は飽きずに、毎日毎日ソイツのことを俺に話す。ソイツのことを話す及川の顔はいつも嬉しそうに緩んでいて。本当に好きなんだなって思った。
はっきり言うとかなりうざかったけど。






「Aったら酷いんだよ〜」



数日前まで名字しか知らなかった癖にすぐに名前で呼び始めた及川。あのウシワカの下僕だけあって、ちょっと調べれば出てくるらしい。



「この前Aの家に行ったらね、なんで知ってるんだって警察呼ばれそうになったよ！」



調べたに決まってんのに、そう言った及川に顔がひきつる。取り合えずAってやつに心の中で合掌しといた。




そして数日後。



「見て見て！昨日、Aにメアド教えて貰っちゃった！」

「ふーん。お前、嫌われてんじゃねーの？」

「教えてくれるまで帰らない、って言ったら教えてくれたよ」



Aってやつに二度目の合掌をした。
そしてまた数日後。



「ちょっと岩ちゃん！！」

「…どうせまた例の女子の話だろ」

「そうだけど！Aに岩ちゃんのことを言ったら、お疲れ様です、って伝えてって言われたんだけど岩ちゃん知り合いなの！？」



そのメールらしいものを見せながら俺に怒鳴った及川。俺はそのAってやつとは仲良くなれそうだなって思った。

そしてまたまた数日後。



「多分着拒されたからちょっと今日部活休むねAの家行ってくる」

「おい待て」



そう言った及川に大会近いんだぞとぶん殴って部活に出させた。
その後部活が終わってから一緒にそのAってやつの家に向かった。及川一人で行かせんのが心配だったからな。

というかよく今まで着拒されなかったな……。




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