□月島蛍との出会い ページ21
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「月島くん、好きです!」
「だから?」
「、私と付き合ってください…!」
「なんで?」
「ッ、」
烏野高校に入学して間もないある日のことだった。
私は人生数度目の窮地に立たされた。
違うんだ、違うんだ本当に。
たまたま遭遇しちゃっただけなんだ!何がって?冒頭!
学校が終わり、帰路につこうと下駄箱で靴を履き替えていた私。そんなときたまたま鞄を覗いて、教室に筆箱を忘れてきてしまったことに気づいた。
そのまま置いて帰ってもよかったんけど…。
どうせまだ靴をちゃんと履いてないし、と教室に戻ることにした。
教室にはもうすでに誰もいなかった。
だから私はさっさと机の中から筆箱をとって鞄に突っ込んで教室を出た。けど、そんなとき。
ふと、隣の四組の教室から、声が聞こえて。なんだろう、と思いなんとなく興味半分で覗いてみたわけです。
そして、そう、告白現場に遭遇してしまった私な訳だ。しかも特に最悪なパターン。
「なんで、って……好きだから、」
「いやいや…。僕、君のこと全く知らないんだけど」
「っ!」
ふっと鼻で笑いとばすかのような男の子の態度に、女の子はショックをうねて泣いてしまったようだ。
月島くんっていう天パの男の子、もうちょっと優しい言い方出来ないのかな。
たしかに同中じゃないなら、入学してからまだ一週間ぐらいしかたってないけども……ねぇ?
というか、早く何も見なかったことにしてこの場を離れねば。
……けれど。
「もういい…!!」
と泣き叫んで教室を飛び出してきた女の子とバッタリ。女の子は私を見てギョッと目を見開いた。
そりゃそうだ誰もいないと思ってたら私がいてその様子を見てたのだから。そんなつもりはなかったんだけど本当に申し訳ない。
女の子は更に顔を真っ赤にすると、顔を伏せて私の横を走り抜けて行く。いやまじで申し訳ない。
「!」
『あっ』
なんてやってたら今度は男の方と鉢合わせ。
彼はちょっと驚いていたようだけど、すぐに目を細めた。
「……なに君、盗み聞きとか随分悪趣味だね」
だよね!告白の断り方からしてこういうやつだと思ってたよ!けど言い返せない!何故って事実だからね!
『させん…。でも、あんな言い方はどうかと思うよ』
「そんなこと尚更、初対面の君に言われる筋合いないんだけど?」
『ですよね!さよなら!』
びゃー正論!言い返す言葉も気もないので逃亡。
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未確認歩行物体(プロフ) - みそ汁さん» みそ汁さん、数年ぶりに占ツクを開いてまたこの作品を読みたいと思って貰えたこと、感無量です;;本当にご丁寧にお気遣いまでありがとうございます!みそ汁さんも体調にお気をつけて、また久しぶりの占ツクLifeを楽しんでくださいね( ´ ▽ ` )/ (2021年5月3日 13時) (レス) id: d428059590 (このIDを非表示/違反報告)
みそ汁(プロフ) - 数年の時を経てふと読み返したくなり、占いツクールに戻ってきたのですが、作成時から7年経って尚とんでもないhit数で、時を超え愛される作品を作られる作者様への尊敬の念が凄まじいです。寒暖差が激しいこの季節、どうかご自愛ください。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: 3f9c9ee0c4 (このIDを非表示/違反報告)
rinrin - うわああ!再公開本当に嬉しいですううう!!この作品が大好きすぎて毎日毎日確認しにきてました…!素敵な作品、本当にありがとうございます!!! (2020年1月2日 22時) (レス) id: 2c177e417b (このIDを非表示/違反報告)
やよい - それから未確認さん、今までありがとうございました!未確認さんへの作品を作ったのでぜひ見てください。http://uranai.nosv.org/u.php/enq/mikakuninn/ (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 実は、未確認さんへのメッセージを書いた作品を作りました。これを見ている読者の方はぜひ、参加していただきたいです! (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
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