【ハイキュー】ねえねえ、女の子は顔じゃないらしいよ。

11　感動の再会とかなにそれ ページ16

▽




時は流れて合宿最終日間近。

潔子さんと談笑しながらの仕事の最中に、走り込みをしている最中に日向くんが迷子になったというお知らせを聞いて、私は真夏の戦場に駈り出された。


『いやなんで私だけ？』


勿論潔子さんのお手を煩わせる必要などないのだが、わざわざ炎天下の中マネージャーの私が出る必要すらもある？？
いや別に日向くんは悪くないけどさぁ！

潔子さんとの時間を突然中断されたことにモヤモヤとした不満を抱えながら日向くんを探す。キョロキョロと適当に辺りを見渡しながら歩いていたらアイスクリームの自販機を見つけた。



『暑いし買っていいかな……』

「駄目じゃね？」

『だよねー』



これでも一応部活中。
暑いからってアイスなんか買ってそんなところを見つかったら澤村キャプテンのげきりん食らうわ。レベルが違うから一瞬で先頭不能とか勘弁。


それにしても今日はマジで暑い…な、



『……！？』

「おっそ」

『なっ、なんでいんの！？』

「いやいやお前、俺の高校名すら忘れたわけ？」



そんな時、独特の髪型をした私のいとこはやってきた。髪型は相変わらずすぎて笑うけど、え、え！？



『え、なに高校名が何？ここ宮城だよ？』

「おま、マジでなんも知らねーの？」

『ええ？？』

「お前、烏野だろ？しかもバレー部入ってるし」



お前んとこの烏野と明日練習試合すんだけど、音駒高校。聞いてねぇの？つーかメールしただろ見てねーのかよ！しかもバレー部に入んだったらこっちくりゃ良かったのに。木兎が会いたがってるぜ、と私からしたらマシンガントークをする彼。

え？マジで？音駒ってどっかで聞いたことがあると思ったら、マジで？


……マジか。



『お、おぉ…久しぶり』

「おう」



改めて、彼の名前は黒尾鉄朗。私のいとこ。
私との仲を説明するとしたら、お前からのメールは迷惑メールに入ってるので気づくわけが無い。と返すくらいの仲である。



『……えっと、研磨くんは？』

「迷子」

『あっそうじゃあ私行くね』

「久しぶりの再会っつーのに変わんねぇな」

『お前も髪型変わんねぇな』

「あれ？お前は太った？」

『氏ね』



仲がいいと言われるけど決して仲良くありません。
黒尾いわく久しぶりの再会にも関わらず、『いいからさっさと研磨くん探しにいけ！』とあしらって歩き出す私に「おう！じゃまたな」と全く気にする様子もないので強メンタルっていいなって思いましたまる。


・

12　被害者は貴方だけじゃない→←□影山飛雄との出会い２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す