□影山飛雄との出会い ページ14
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白鳥沢に見事落ちた俺は、烏養監督の復帰の噂を聞いて烏野高校に入学した。
そして、隣の席の九条Aに会ったのだ。第一印象は、なぜかムカついた気がした。頬杖をついて黒板をぼんやり見つめるこの女と俺は勿論知り合いではなく初対面のはずが。
別に隣の席の奴がどんなやつだろうが俺には関係無いはずなのに、それでも本当に何故か、気になったのだ。
「(……誰かに、似ている…?)」
容姿とかじゃなくて、雰囲気、っつーのか?
話したことねーのに、なんかムカつくこの感じ。
「…なぁ、」
『んぇ?私?』
「お前、どっかで会ったことあるか?」
『……ナンパ…?』
「ちげーよボゲ」
及川さん曰くコミュ障らしい俺でも、何故か簡単に話すことができる。何か、親近感があるコイツ。
九条、A。……九条?もしかして、
「お前、あの九条の姉か!?」
『!?』
✱
✱
✱
中学の頃。
「影山せんぱーい」
「あ?んだよ」
「サーブ教えてくださーい」
「…………おう」
「デレた!」
「ああ!?」
王様と呼ばれていた俺にも、慕ってくれる(?)後輩が一人いた。
ソイツは、一年年下の九条弟氏。クソ生意気で、俺が睨んでも唯一怯えない後輩。
そしてソイツには才能があった。
テクニックもスピードもバネもある。
劣るとしたら身長とパワーぐらい。しかしそれすらも持ち前の運動神経で全てカバーしてしまう。すげー才能の持ち主だった。
だけど、俺が言えないかもしれないが性格にかなり難があった。
「おいコラボゲ九条!練習手ェぬいてんじゃねーよ!」
「せんぱーい、あんま怒ると眉間の皺がとれなくなっちゃいますよー」
ヘラヘラと笑って自分の眉間を押さえる九条。
それを「うっせぇよ!」と一蹴して九条の肩を掴む。
「お前、なんで練習を真面目にやらない!」
「ちょっやだ先輩ったらそんな迫らないでくださいよぉ」
「うっせぇ!真面目にやれば試合に出れるんだぞ!お前には才能がある!」
「あー悪いけど俺、試合に出たいわけじゃないんで!」
「ああ!?」
…まぁ、とにかく、色々駄目だったわけだ。
そんな九条には、あの白鳥沢学園中等部に俺と同い年の姉が一人いるらしい。
九条はその姉をいつも馬鹿にしたようなことばかり言っていた。けど、話しているときの表情を見れば、好きなんだなとは分かった。
それを言ったらとことん嫌がらせをされた。
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未確認歩行物体(プロフ) - みそ汁さん» みそ汁さん、数年ぶりに占ツクを開いてまたこの作品を読みたいと思って貰えたこと、感無量です;;本当にご丁寧にお気遣いまでありがとうございます!みそ汁さんも体調にお気をつけて、また久しぶりの占ツクLifeを楽しんでくださいね( ´ ▽ ` )/ (2021年5月3日 13時) (レス) id: d428059590 (このIDを非表示/違反報告)
みそ汁(プロフ) - 数年の時を経てふと読み返したくなり、占いツクールに戻ってきたのですが、作成時から7年経って尚とんでもないhit数で、時を超え愛される作品を作られる作者様への尊敬の念が凄まじいです。寒暖差が激しいこの季節、どうかご自愛ください。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: 3f9c9ee0c4 (このIDを非表示/違反報告)
rinrin - うわああ!再公開本当に嬉しいですううう!!この作品が大好きすぎて毎日毎日確認しにきてました…!素敵な作品、本当にありがとうございます!!! (2020年1月2日 22時) (レス) id: 2c177e417b (このIDを非表示/違反報告)
やよい - それから未確認さん、今までありがとうございました!未確認さんへの作品を作ったのでぜひ見てください。http://uranai.nosv.org/u.php/enq/mikakuninn/ (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 実は、未確認さんへのメッセージを書いた作品を作りました。これを見ている読者の方はぜひ、参加していただきたいです! (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
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