【HUNTER×HUNTER】運命とは複雑なものである。

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色々な街や都市を巡りゲームを把握し終えた頃、私達は思ったよりも早く幻影旅団のメンバーらと接触した。私達…というか用があるのはヒソカで、私はヒソカと彼らの会話を少し離れたところで絶をして聞いていた。相手のブックにすれ違った人物のプレイヤー名が表示されている以上、ヒソカが登録しているクロロ＝ルシルフルの下に私の名前も恐らく表示されていているのだろうけど。まぁ関わらないのが無難である。


「終わったよ◇」

『お疲れ様です』


話を終えて戻ってきたヒソカ。これで、クロロさんの除念は時間の問題だ。元々除念が存在していて、その存在をクロロさんが知っている時点でこうなることは至極当然。私が介入して変わることなんて何もないし、ここに来た意味だって気まぐれのようなものだ。


『ということで元々役目とかありませんでしたし、私はこれにて離脱しますね。クロロさんには軽く報告しときます』


ヒソカとこの島に寝泊まりするだけの数日間だった。
旅団員が参戦するのなら、この島がいくら広いとはいえ遅かれ早かれ除念師は見つかるだろうし。あとはヒソカが一人いればなんとでもなる。なんだか義理もなにもなかったけど、元々勝手についてきた様なものだから仕方ないか。
だから、唱えようとしたリーブのカードをバンジーガムで取り上げた理由を私が納得のいくように説明しろください。


「クロロから聞いたんだけど、キミ、念能力にとっても優れた家系なんだって？」


見れば分かるけど、と目を細めたヒソカ。
…念能力に優れた家系。まぁ、確かに何もしていないくせに念能力が使えるのは異常だと思うし、自分で言うのもあれだけどオーラだけなら正直チートみたいなものを纏っている思う。ただなんにせよ、素の身体能力がそれに見合っていないからプラマイゼロである。
『だとして、それとこれがなんの関係が…』とため息をつくと口元に弧を描いたヒソカ。


「除念師が見つかるまでの間、ボクがキミの特訓をしてあげようと思って」

『はいはい。カード返してください』

「ツレないなぁ♠」


なにをどうとち狂ったら私がヒソカ相手に特訓してもらわなきゃいけなくなるのか。どう考えても私が得することなどないだろう。そもそも何故そんな話に…。


「だって君、なにか新しい能力を開発しているようだしね◆」


……、……。


『……なんで知ってるんすか…』

「見ちゃった◇｣


見ちゃったじゃねぇ。



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