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「久しぶりに全員集合だね!」
ホテルのロビーにて。嬉しそうに言ったゴンくんに、五人で顔を見合わせて口元を緩めた。その輪の中に私がいることはもう今更なので、何も言わずに一緒に部屋に戻る。
「…制約と誓約?」
部屋に戻り最初にした事は、クラピカ氏が旅団の一人を倒したという話。念を覚えて間もないクラピカ氏の、その強さの秘訣。
制約と誓約。クラピカ氏は念能力の大半を、幻影旅団打倒の為だけに使うと誓ったらしい。それだけの覚悟と決意。自分の身を守るためだけにルールを決めた私とは大違いだ。正反対の私たちが懸けたものはどちらも命だが、リスクはクラピカ氏の方が比べ物にならないほど大きい。
お前達だから話した。他言はしないでくれ、と目を細めるクラピカ氏。頷く前に、キルアが立ち上がり怒鳴る。なんで話した、と。
なにやらキルアの話によると、旅団に捕まった際に、相手の記憶を読む能力者がいたらしい。記憶……十数年前、私の記憶を消した能力者と同一人物だろうか。
……っていうかそれ、やばくないか。
ゾルディック家への幻影旅団抹殺の依頼は、十老頭…依頼主の死によって白紙になった。つまり私達は彼らを殺していない。死亡報道こそされたし、実際にその死体もクラピカ氏は目視したと言った。
しかし…他の団員の事は知らないが、あの夜対面したあの男を、殺せるような人物が他にいたとは思えない。つまり、彼らの死は偽造の可能性もある。見つかった死体は偽物。これから彼らがどう出るかは不明だが、同胞を殺したクラピカ氏の捜索を続行する可能性もあり、その中に記憶を読む能力者がいるとしたら、面の割れているキルアやゴンくん、万が一私が目をつけられ記憶を読まれたら一巻の終わりである。
旅団の頭は死んだし今は気にしなくていいのでは、という方向で進む話。
……旅団が生きているという確証はないし、私が雇われの暗殺者としてゾルディック家と共にあの場にいた事も隠したままだ。いくら仲間と言っても、簡単に他言できる内容でもないし…、他人の為に面倒事を増やしていたらお前は早死にするよってイルミさんが言ってた。その通りだと思う。
きっと私が言わなくてもそのうち分かることだろうし、黙っていても問題ないだろうか。
その時、クラピカ氏の携帯がメールを受信した。送り主がヒソカというメールを読んだクラピカ氏が目を見開き、焦燥気味に声を出す。
「ーー死体は、フェイク…!」
タイミングー!
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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです!ありがとうございます! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです!最高! (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです!番外編や次回作など楽しみにしてます!できたらで良いので書いてくれると嬉しいです!素敵な作品を書いてくださりありがとうございました!!! (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです!蟻編楽しみにしています! (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません!更新いつまでもお待ちしております! (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
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