【HUNTER×HUNTER】運命とは複雑なものである。

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「キミは本当に最高だよ◆」


床に転がったボールをしゃがんで取ると、うしろからヒソカに楽しそうに声をかけられた。皮肉にしか聞こえない。なんでもいいからとりあえずボールを受けて止めてくれそうなものでも出そうと思っていたら、まさかあんな大規模になるなんて。自分でしたくせに呆然してしまい、がしゃんと落下した照明にはっとして、周りのメンバーが怪我をしていないことだけに安堵した。自分が出したものや動かしたものは、能力を反転することで元に戻るが、負ってしまった怪我や命ばかりはどうにもならないのだ。
下手すると広範囲に及ぶ能力だけに、今回はもう使うのはやめとこう…と反省していたら、キルアに頭を殴られた。なんで！？


「いや……なんとなく…」


目を丸くしたままのキルアに続いて、何故かビスケさんにも殴られたんだけど、おかしくない？爆発したように歓声を上げだした周りのメンバーにびくついていると、ようやく動き出した審判が私がアウトになったことを告げ…、えっ。


「能力で出現させたものが身代わりの役割を果たした為、あの大木もA選手の一部とします。最も、ボールが床に触れる前に一度捕球していれば例外となりましたが」


あー…。殴ってきた癖にその審判には抗議するキルアやビスケさんに苦笑しながら、ボールをヒソカに投げ渡して外野へ移動する。手当が終わったのか、頭に布を巻いたゴンくんが目をキラキラさせたまま私の横に来た。


「Aさん、すっごいね！！」


普通にアウトになっただけですけどね。なんなら一周まわって恥ずかしいし、もうこの話題には誰も触れないで欲しい。何か言いたげな人は沢山いたが、審判の言葉により試合が再開する。助かった…。

今度はこちらボールからのスタート。
ヒソカからボールを貰い、一度消えた念獣を外野に再び出して健闘したゴレイヌ氏も、最後はレイザーにより "敵外野にパス" という事実上敵内野から外野への攻撃で顔面にボールを受け気絶してしまった。再び消えた念獣と、腫れ上がったゴレイヌ氏の右頬に思わず自分の頬を押さえた。外野にいても安心できないね…！



ボールはレイザーチーム。

残るこちらの戦力は内野にキルアとビスケさんとヒソカ。外野にゴンくんと私。しかし私は戦力外なので実質4人だね…。なんて思っていたら、次ぐレイザーの投球でボールが服に擦ったビスケさんがアウトになる。服も体の一部。確かにそうだけどなんとなく癪…！


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■主の念能力について→←120 (レイザー視点)

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