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クロロさんが見守る中、既に誰かのメモリーカードが刺さっているジョイステーションに練をすると、目の前が真っ白になって確かに浮遊感を感じた。島でレイザーという男に飛ばされた時と同じ感覚だ。
僅かに浮いた足場が安定し瞑っていた目を開け辺りを一瞥すると、異空間のようなところに女の子が一人待ち構えていた。このゲームの製作者、または協力者の一人だろうか。
プレイする名前を決め、淡々と一通りのゲーム内容を説明してくれた彼女の話を聞いた。
「ーー以上で説明は終わりです。あとはゲームを進めながら、より詳しい情報を御自分で入手してください。それでは、ご健闘をお祈り致します。そちらの階段からどうぞ」
床に現れた階段を指した彼女に頭を下げて、階段を降りる。最後の一段を降りるとそこには草原が広がっていて、ここがあの島の中…グリードアイランドなのかと辺りを見渡した。
「来たかい◇」
『待ってたんですか…』
「自分で付き人だと言ったじゃないか♠」
私より先にゲームに入っていたヒソカが建物の壁に寄りかかり私を見ていた。いや、確かにそうだけど…先に行っててよかった…!
まあ、とにかく。ここがゲームの中の架空世界ではなく、実在するグリードアイランドという島の中ということは分かっているので、まずはゲーム自体の情報収集から始めるべきかな。ヒソカも同じようで「じゃ行こうか◇」と歩き出すうしろを付いていく。
『……やけに視線感じるんですけど、大丈夫ですかね…』
「ボクがいるから心配ないさ◆」
『正直一番の不安要素…!』
なんてやっていたら遠くから知らない男が飛んできて、私たちの目の前に現れた。テレポート…かな?
本を開いたままの様子と見た感じの偏見でいくと、恐らく彼の念能力ではなさそうだ。多分、レイザーという男が使っていたカードと同じ類の力。この島ではテレポートが普及しているのかな。
…ん?ちょっと待ってそれ、プレイヤーが自由に際限なくテレポートが使えるとしたらやばくないか?わ、私の専売特許が…!一瞬にして消えた身の保証に顔を青ざめさせた。
「ふーん…クロロくんと、Aちゃんかぁ…」
本に目線を落としなにか操作していた男か、舌なめずりをしながらそう言った。相手の名前も分かるのか…本物のRPGみたいだな。ていうかクロロくん?横を見るとヒソカがウインクしてきて、口元を引き攣らせた。コイツ…まさかプレイヤー名…。
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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです!ありがとうございます! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです!最高! (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです!番外編や次回作など楽しみにしてます!できたらで良いので書いてくれると嬉しいです!素敵な作品を書いてくださりありがとうございました!!! (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです!蟻編楽しみにしています! (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません!更新いつまでもお待ちしております! (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
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