100 (クラピカ視点) ページ11
▽
ーーお前達に付き合わされているだけか。
そう言った蜘蛛のリーダーである男に、目の前が真っ赤に染まる。レオリオとセンリツの制止の声も聞こえない。感情のままに奴を殴り、このまま殴り殺してやろうかと酷く怒りに駆られたのは覚えている。
……数度目の拳を振り下ろした時。なにも考えられなくなっていた私は、男を庇うように飛び出してきたAに反応が遅れた。がっと鈍い音が響き、レオリオが「おい！！」と声を荒らげた。センリツが小さく悲鳴をあげ、殴られた勢いで俯いたAに我に返る。しかし私の脳が現状を理解し口を開く前に、すぐにパッと顔をあげたAが私の手を両手で握った。
『ッつぅ…、クラピカ氏、一旦落ち着こう…！』
私の拳があたり唇が切れたのか、私の目を見たAの口元はうっすらと赤く血が滲みはじめ心臓を鷲掴まれるような罪悪感に襲われた。
いくらわざとではないと言え、Aを殴ってしまった事実は変わらない。弁解でもしようとしたのか、違…っ、と言葉にならない声を発する私にAは目を細め、私の名前を読んだ。
『クラピカ』
その抑圧感に息を飲み思わず返事をした、瞬間。私に触れるAの手から、何か温度ではない暖かさを感じる。同時に男を殴りじんわりと重くなっていた拳が軽くなった。
それを能力かと疑う余裕もなく、Aの言葉に同調するレオリオとセンリツにようやく落ち着きを取り戻すことが出来た。
「ッ、すまない…、私は、」
『いや、私が色々と黙っていたことも悪いしね…』
これでチャラにしてください、そう言って困ったように笑ったAに私は、どうしようもなく泣きたくなった。
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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年11月24日 18時) (
レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです！最高！ (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです！番外編や次回作など楽しみにしてます！できたらで良いので書いてくれると嬉しいです！素敵な作品を書いてくださりありがとうございました！！！ (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです！蟻編楽しみにしています！ (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません！更新いつまでもお待ちしております！ (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
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