許されるはずのない恋 (ページ3)

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愛についてページ3

北斗side

俺とジェシーはずっとずっと前から、ここ、後宮で二人っきりだった

親とも画面越しにしか話したことないし、ジェシー以外と会ったこともない。

人間界の事は本を読んだり調べたりしてある程度理解できているけど、よくわからないことも多い。

ここには俺らしかいないけど、隣にはジェシーがいるから俺は充実している。

ジェシーとの生活はとても楽しいもので、毎日のように二人で笑いあっている

俺らは恋だの愛だのと言う前に番として決められていて、物心ついた時にはもう後宮にいた。入籍する事も決まっているし、新居も将来の職業も人付き合いも何もかも決まっている。

だから、俺には恋と言う物がよくわからない。ジェシーに抱いているこの感情が恋なのか、はたまた全く別の感情なのか………

けど、恋などと言う物は俺には関係ない。他人に恋をしても無駄に終わるからだ。俺はジェシーと番った。だから、俺の一生はジェシーに捧げたも同然なのだ。俺とジェシーは離れられない運命で、それは昔からの掟で。

けど………けど、恋、と言う物に少しだけ興味を持っていることは、まだジェシーにも内緒だ

「北斗みてみて～！どう！？似合う？」

『お～似合う似合う。ジェシーはスタイルいいし、ほんとなんでも似合うよな～』

ジェシーは俺の目の前でこの前父親が初めて送ってくれたという雅楽の衣装を見せびらかしている。本当に嬉しそうで、俺もつられて嬉しくなってしまう。

『あ、ジェシー。この前の発情期はありがとな。あんときはほんときつくてさ～』

「いえいえ。でも俺も大変だったんだよ～！発情期の時は俺は近付いちゃだめだけど、北斗が後宮中にフェロモン撒き散らすから耐えるのが大変だった！」

どうやら俺は相当ジェシーに負担をかけてしまっていたようだ

『ごめんごめん！お礼に今日の晩飯はジェシーの好きなの作るよ』

「え！？マジ！？何がいいかな～」

真剣に悩むジェシーを見て、思わず俺は苦笑した

こんな時間は永遠には続かない。俺もジェシーも後宮から出なきゃいけない日は絶対に来る。だけど、もう少しこのままでいたらいいなって思うのは、俺のわがままだ