長編 (ページ23)

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スマホで近くの水族館を探し向かう

電車でもギクシャクしてなかなか上手くフルコンさんと話が出来なかった

変に緊張してしまう

いつも通りに振る舞わなくては、と思う反面どうしたらいいのかとか

ただの友達だとこんな風にはならない

やっぱり私はフルコンさんの事が好きなんだ、と改めて実感させられた

なんて事考えてると水族館に着いた

「ほな、行こか」

手を出して来たフルコンさん

ふと顔を見るといつもの優しい笑顔がそこにあった

「ん、」

手を繋がないのか、と言わんばかりの表情で私を見た

デートと言ったのは私だ

「……デート、ですもんね」

差し伸べられた手を繋ぐと嬉しそうな表情のフルコンさん

そのふわりと笑う表情に私の鼓動は加速する

普通に手を繋ぐのかな、と思いきや恋人繋ぎに変えてきた

「デート、やろ？これくらいせなね」

「は、はい」

「いや〜しかし久々やわ、水族館」

「私もです」

手を繋いでから少しずつ会話が増えてきた

水槽を見つつふと隣を見ると楽しそうに見ている横顔がとても優しくて

こっちに気がつくといつもの優しい表情を私に向ける

そして繋いでいる手をぎゅっと握ってくれる

なぜ私はあんなにも恐れていたんだろう

フルコンさんはこんなに私のこと

なぜ私はフルコンさんの気持ちを信じれなかったんだろう

それはきっと自分自身に自信がないから

口だけなんじゃないかって

私みたいな人間を好いてくれる人なんているはずないって

そう思っていたのかもしれない

こんなにあっさり答えが出るなんて

「フルコンさん」

「ん？」

「私、フルコンさんの事、好きです」

「ん、知っとるよ？」

「お付き合い、してくれませんか？」

「………ほんま？」

「すぐに返事が出来なくて、すみません」

「ええんよ、俺待ってる言うてたし」

「まおさんとtowacoさんに、報告しましょう」

「んー、ちょっと待って？」

「？」

「せっかくのデートやし、もう少し楽しまん？」

「えっ」

「いや？」

「嫌じゃないです」

「ほんなら、もっと楽しも？」