山へ ページ39
"本丸を騒がせた罪"として秋真っ盛りの本丸の裏山へと足を踏み入れた三日月とかぐや。当たりは静かで2人が乾燥した落ち葉をふむ音だけが聞こえていた。
｢のうかぐや。｣
｢どうかしましたか？｣
可愛らしく自分を見上げるかぐやを数撫でして顎をすくうように上を向かせる。
｢その硬い言葉、大変加虐心を煽られるのだが…もっと近しい話ぶりに…してはくれぬか？｣
｢近しい話ぶり…？って何ですか？｣
｢その話し方よ。うむ…何と表せば良いか…そうだ、いつも俺をなんと呼ぶ？｣
｢三日月様…ですけど宗近の名は打ったお父さんの名でしょ？だから三日月様とお呼びしてたのですが…｣
｢その"様"だ、まるで俺が従者から娶ったようではないか。あれだな、俺とお主は元より対等な存在であるはずであろう？｣
｢でも三日月様は三日月様だし…｣
娶ったという言葉に突っかからなかったことに少し拍子が抜けてしまった三日月だったがこの調子だと丸め込めそうだと零れそうになる笑みを堪えながら困るかぐやを眺めていた。
｢三日月、そう一言で呼んでくれれば良いのだ。そなたが一言そう俺のことを呼べば何処へにでも馳せ参じよう。｣
｢三日月…｣
｢そうだ。｣
かぐやは満足そうに微笑む三日月の顔の近さに耐えきれず小さく｢…様｣と呟いた。
｢む…やはり慣れぬか。｣
｢そうですよいきなり呼び方を変えるのなんて…｣
｢ふむ…なら呼び方を間違えた回数分、お主から口付けをしてくれ。｣
突拍子もない提案にかぐやは固まった。
どう考えても彼への利益しかない、何が対等だと。
しかし彼女はこれも知っていた、こう言い出した三日月はいつも言葉巧みに自分の望むことを通してしまう質だと。
｢わかりました。み…三日月…。｣
｢よきかなよきかな、あぁ愛しのかぐや…はっはっは。｣
笑いながらかぐやを抱き上げて頬擦りをしながら山の奥へと進んでいく三日月。もちろんかぐやは驚きを隠せずに腕の中でひとしきり暴れ回る。
｢ちょ…三日月さ…三日月!!降ろして!!1人で歩きますから!!｣
｢すまぬが爺は耳が遠くてな、しかしかぐやの声はしかと届いておるぞ。｣
｢だったら!!｣
｢ほれ、ではカゴを持っておくれ。俺が拾って歩くからお主が持っておれ。｣
一瞬、いやかなり彼の腰の心配をしたが言い出したのならと黙って受け入れたかぐや。
｢…してここからかぐやと似たような気がするのは…やはり、か。｣
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ミューゼス(プロフ) - 菜なさん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！更新は遅いですがゆっくりお待ちいただけると嬉しいです！ (2018年5月13日 13時) (
レス) id: e7e8019847 (このIDを非表示/違反報告)
ミューゼス(プロフ) - ジョーカーさん» 了解です！早いうちに出してみますね♪リクエストありがとうございます！ (2018年5月5日 21時) (レス) id: e7e8019847 (このIDを非表示/違反報告)
菜な - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2018年4月15日 21時) (レス) id: ab26f7e6e4 (このIDを非表示/違反報告)
ジョーカー - すみません。キャラのリクエスト良いですか？出来ればで、陸奥守吉行か岩融を書いて欲しいです！既に書いていたらすみません。更新楽しみに待ってます！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: fd426a3898 (このIDを非表示/違反報告)
ミューゼス(プロフ) - Aliceさん» ありがと！テスト終わったから更新しまくるよー！受験ラストスパート？ファイト!! (2018年3月10日 0時) (レス) id: e7e8019847 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2018年2月13日 4時
