悟さん

◇6 ページ7

＊







初めて見た時

異様に胸がざわついた





艶のあるロングの黒髪に白い肌、優しさが滲み出る瞳





こんなにも、綺麗な人を見たことがなかった




それと同時にその美しさに嫌悪感を感じた


綺麗なのに、触れたいのに、近づきたくない

そんな矛盾した気持ち





その子は話せば話す程、綺麗な子だった

育ちが良いのか、言葉遣いが丁寧で笑い方も上品



硝子に「きついね」と話しかける姿はまるで聖母のようだった

こんなにも綺麗な子なのに


拭えない、嫌悪感





今も手は繋いでいるのに、何故か顔は見たくなくて、









『美人さん、ではないと思いますけど』


「そう？僕は初めて見た時から思ってたけど」









僕は、この子をどう思っているんだろう






＊

◇7→←◇5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す