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『…学校、行きたくないなぁ……』
明くる日の朝。無意識にそんな言葉を零す。
……結局昨日は自分の部屋に逃げ込んだまま、少し泣いてしまった。
当たり前だ。外見がちょっと変わっても、中身は弱いままなのだから。
『はぁ……勢いであんな事言っちゃったけど……大丈夫かな…』
洗面台で顔を洗ってみたが、気分はすっきりしなかった。
❀❀❀
教室の戸を開けると、珍しく一番乗りの五条君がいた。
何で？いつも1番最後なのに……と心がざわめく。
とりあえず 視線を合わせないようにしながら中に入った。
私の席は五条君と、運が悪い事に隣だ。
……4人しか居ないんだし仕方ない。
授業中、実はゆっくり机を離して行っていることに彼は気づいているのだろうか。気づいてないといいな。
『お、はよ……』
姿勢悪く腰掛ける彼に、心臓をバクバクさせながら挨拶してみた。
偉い。私 偉いよ。
「…はよ」
彼からは思っていた通り、ぶっきらぼうな挨拶が返ってきた。…無視よりは良いかな。
『えっと……』
しかしまぁ、頬杖をついて、私と反対方向に視線を飛ばす彼と会話が続く訳もなく。
私は静かに椅子に腰掛けると、覚束無い手つきで鞄から愛読書を手にした。
…集中出来ない。
そわそわ、というよりかはぞわぞわする。
本を開いても全く内容が頭に入らない。
いつも以上に緊迫している気がする。
「……おい、」
『へっ』
唐突に、ふっと視界から本が消えた。
反射的に彼の方を見ると、こっちを向いた五条くんと一瞬だけ目が合う。
その白い手には私の愛読書。
彼はさっきまで開いていたページを一瞥すると、ため息をついた。
何ですか…もしかして破られたりします？
しかし、そんな心配とは裏腹に、彼は本をくるりと回すと、私の手元にそれを返した。
ますます意味が分からない。
私、何かしてしまった……、？
「……はぁ……本、上下逆。馬鹿か。」
『…えっ、あ……
ごめんなさい……』
やばい、破られると思ってましたなんて言えない。
だらだらと冷や汗をかく私。
対して、呆れた顔でこっちを見てくる彼。
「何でも謝んなよ、聞き飽きたわ」
『えっと……じゃあ…なんて言えば……？』
私がそう言うと、彼は今日3回目の深い溜息をついた。
「お前、“ありがとう”も知らねぇの？」
！
あ、そうか……
『あり、がとう……』
「…ん」
彼はふい、と顔を背けてしまった。
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美桜(プロフ) - あ〜、次が楽しみです！←好きッ (2021年3月12日 12時) (
レス) id: a2ac9ececf (このIDを非表示/違反報告)
きみを - しゅきぃぃ、、更新楽しみにしてます！ (2021年3月8日 16時) (レス) id: d62859d88d (このIDを非表示/違反報告)
垢なし - うっちゅき…頑張ってください…亀更新でも全然気にしないのでこの作品を書いて読ませていただきありがとうございます(血涙) (2021年3月8日 16時) (レス) id: 5f562d56d2 (このIDを非表示/違反報告)
さーこ - 好き過ぎる展開です！素敵な作品をありがとうございます！更新楽しみにしてます^o^ (2021年3月8日 8時) (レス) id: 98cdb25e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：点P
| 作成日時：2021年3月8日 0時
