16話 ページ16
A「弔！！逃げて！！」
弔「っ！！先生！！あいつも！」
それは瞬く間に過ぎ去った。
爆豪勝己の奪還に来たプロヒーローによって襲撃され、個性解放された黒霧によって死柄木達は次々その場から離脱して行った。
Aはプロヒーローによって捕らえられた。
元雄英の生徒ということもあり、雄英でその身を拘束されることになった。
拘束と言っても縛られたとかそういうわけではない。
個室での待機。そして見張り付き。
脱走の手立ては、ない。
弔…逃げれたかな。
もし、怪我をしていたら…助けたい。
怪我を癒してあげたい。
最後に見た時は、大きな怪我はなかった。
弔………会いたい。
弔の、そばに居たい。
小さくため息をつき、Aは誰もいない室内で小さく歌を歌った。
いや、歌ったはずだった。
A「………？」
声が、出なかった。
歌うことが、出来ない。
Aは、声を失った。
ヒ「弔くん。私、Aちゃんを助けたいです。私の能力で生徒に化けて、雄英に忍び込みます。」
弔「今はまだ無理だ。セキュリティの強化もされてる。今のところ…打つ手は、ない。」
弔の言葉にトガは悔しそうな顔をした。
爆豪を止めることに夢中になった自分を、Aからほんの少しでも意識を逸らした自分を許せなかった。
ヒ「Aちゃん………絶対に助けます……」
トガはそう小さく呟き、そしてまた黙った。
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相「歌姫。少しお前に質問を………どうした？」
Aの拘束されている部屋に相澤が入ってきた。
そして、手元のプリントを見つつも話しかけていたが、ふと顔を上げAを見て、Aの顔色の悪さに気づいて声をかけた。
A「………………」
相「お前………声が…」
Aは泣いた。
このままでは、大好きな歌も歌えない。
そして、歌が歌えなければ、弔の隣にいる資格もない。
そう思うと、胸の奥が痛んだ。
ズキリ、ズキリ、と痛みが増す。
A「はぁ………はぁ……」
相「落ち着け、歌姫！呼吸を浅くするな！」
Aは過呼吸を起こしていた。
自分にとって、歌は最大の生き甲斐であり
歌うことによって、個性を使うことができる自分の生きる意味だと思っていたものが、何一つできなくなったのだ。
A(弔………たす、けて……)
Aは涙を流しつつも、その場に倒れ意識を失った。
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mikael(プロフ) - あすぅさん» コメントありがとうございます！のんびりペースではありますが続きも頑張って書いていきますので、お待ちいただければと思います！ (2022年1月22日 21時) (
レス) id: 081e609128 (このIDを非表示/違反報告)
あすぅ - 最初から読ませていただきました!面白かったです!続き楽しみにしてます (2022年1月21日 19時) (レス) id: 8561b5144a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikael | 作成日時：2021年12月7日 1時
