君と見たあの景色を ページ49
モトキが顔を上げる。
A「どうしたの?」
モ「ここの景色とAを撮りたかったんだ。」
ニッコリ笑うモトキを見て、少しだけ照れ臭くなった。
モ「あのさ、A…。俺さ、忙しかったりしてあんまりAの事構ったりとか出来ない時あるけどさ、その…」
A「………?」
モ「今すぐとは言わないけど…結婚、しよ?」
モトキの言葉に、思わず言葉を失った。
嬉しさと気恥ずかしさが入り混じる。
モ「ダメ?」
A「ダメだと思う?」
モ「………思いたくないし、ダメと言われても、またアタックするよ」
真剣な顔で言うモトキが雲の切れ間から姿を表した日の光に照らされる。
少し前のことを思い出していた。
海外で、両親を亡くし、仕事からも一時期離れていた。
日本に戻ってきて、ずっと昔から好きだったモトキに偶然再開して、そして色んなことがあって付き合った。
もちろん、付き合ってからもいろんなことがあったし、モトキとの付き合い方を考えることもあった。
それでも、私がモトキと一緒にいることを願ったのだ。そこに嘘偽りはない。
A「モトキ…」
モ「………ん?」
優しい眼差しで私を見てくる。
ふっと、口元を緩ませ、モトキの手を握った。
A「これからも、よろしくね。」
モ「………うん。一緒に、生きていこう」
モトキが私を抱き寄せ抱きしめると、そのままキスをした。
そっと、二人の間を風が吹き抜ける。
A「モトキ!私のプリン食べたでしょー!」
あの日から週三日はモトキと一緒に過ごす。
モ「あ、ごめーん!あれAのだったんだ。」
A「もぉ、しょうがないなぁ」
笑いながらも、モトキが座るソファに近寄ると、後ろから抱きしめ頬にキスをした。
モ「今度、買ってくるよ」
A「楽しみにしてるね」
そう言って、二人で笑って触れるだけのキスをする。
今、私はとても幸せだ。
FIN
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mikael(プロフ) - グミさん» コメントありがとうございます!少しでもきゅんとしてもらえたら嬉しいです✨ (2022年1月21日 11時) (レス) id: 081e609128 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - きゅんきゅんでした! (2022年1月21日 11時) (レス) @page50 id: c87cfc253b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mikael | 作成日時:2021年1月30日 14時