譲れない想い2 ページ18
マサイside
言ってしまった。
でも、今言わなきゃと思ったんだ。
マ「ごめん……迷惑だったよね。」
A「そんなことは、ないけど……」
マ「けど……?」
A「ちょっと、びっくりした。」
照れ臭そうに笑う彼女が、ほんとに可愛いと思った。
手を伸ばし、彼女の手を握る。
マ「どうしても…俺の気持ち、知ってて欲しかったんだ。」
A「マサイ………」
散歩、続けようか、と声をかけて歩き始める。
勿論手は繋いだままだ。
離さないとばかりに、少しだけ力を入れる。
マ「…………Aちゃん。今日だけ、今日だけでいいから…」
A「………うん、わかった。」
彼女は優しい。
優しいが故に、困らせてしまうことは分かっていた。
それでも、俺はこの時だけは彼女を独り占めしたいと思ってしまったんだ。
そのあとはゆっくりと園内を周り、写真を撮り、楽しんだ。彼女も少ししたらいつも通りの彼女に戻り笑ってくれた。
マ「あ、Aちゃん、クレープ食べない?」
A「クレープ?」
ほら、あそこ。と指をさせば移動販売車が来ていた。
A「いいね。クレープ美味しいよね」
二人でクレープ屋さんにいくと、並んでいる人たちの最後尾に着く。
順番待ちをしている間、携帯が鳴った。
マ「あ…ごめん、Aちゃん。ちょっと電話してくるね。」
A「ん、わかった。行ってらっしゃい。」
手を振って俺を見送る彼女に笑顔を向けて離れる。
マ「ンダホ、どうした?」
ン「あ、マサイ?出かけてるのにごめんね?」
ンダホの話を聞き、大きなため息をついた。
マ「………わかった。それもう触らないで別にしといて?帰ったら見る」
ン「ほんっと、ごめん!!」
いいよ、と伝えると電話を終わらせた。
電話を切って、再度ため息をつく。
Aのところに戻り、顔を見るとホッとして微笑んだ。
A「………何か、あった?」
マ「ん……ンダホが、カメラぶっ壊した」
A「えぇ!?だ、大丈夫なの?」
マ「帰ってみないとわかんないけど…まぁ、たぶん大丈夫」
心配そうに俺を見る彼女に笑顔を向けた。
クレープを二人分買うと、公園のベンチに座って二人で食べる。
甘いクリームとバナナの香りが口内いっぱいに広がった。
A「美味しいね。」
彼女の笑顔に心臓が高鳴る。
今この時だけは、この幸せを噛み締めていたかった。
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mikael(プロフ) - グミさん» コメントありがとうございます!少しでもきゅんとしてもらえたら嬉しいです✨ (2022年1月21日 11時) (レス) id: 081e609128 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - きゅんきゅんでした! (2022年1月21日 11時) (レス) @page50 id: c87cfc253b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mikael | 作成日時:2021年1月30日 14時