本当の姿2_エクセキューショナー ページ10
「あ、あの！」
いつもより少し大きめの声で、彼にそう声を掛けた。
彼は私に気づいたのか、こちらに向いてくれた。
「その、えっと…」
話す内容を決めていなかった。
もじもじとしてしまっている私の様子に、彼は首を僅かに傾げた。
(そうだ…今日の儀式。)
「今日の私のチェイス…どうだった、ですかね。その、上手く立ち回れてたかなって…」
すると彼は覚えてくれていたのか、深く何度か頷いてくれた。
言葉は無いが、伝えたいことは充分に伝わってきた。
「ありがとうございます！」
話しかけて良かった。勇気を出して、良かった。
これ程までに嬉しい事が待っていたなんて。
「あの、もし良かったら…またこうしてお話しに来ても大丈夫、ですか？」
しばらく話した後(勿論彼が言葉を発することは無かったが)、上記のように私は彼に聞いてみた。
彼は軽く頷き、私が話に来ることを歓迎してくれている様だった。
「じゃあ、また儀式後にお話しに来ます！」
約束です。そう言って私は指切りの手を彼に差し出した。
私の小指に結ばれた彼の小指からは、優しい温もりが感じられた。
数日後
私と三角さんは談笑する仲となっていた。
私から毎日会いに行っては、今日あった出来事を彼に話す。もはや日課である。
そんなある日、彼は私に一輪のピンク色のチューリップをくれたのだ。
「これ…もしかして、前に私が花を見たいって言ってたの覚えててくれてたんですか？」
この世界にも植物が無い訳では無いが、花はなかなか見られなかった。そんな時、久しぶりに花が見たい、と彼に話したのだ。
彼は私の言葉に頷いた。
「嬉しい…ありがとうございます！大切にしますね。」
私は思わず微笑み、彼に礼を言った。
すると、私の頭の上に彼の手が置かれ、頭を撫でられた。
(私、今幸せだなぁ。)
本来であれば、その容姿だけで恐れられてしまう彼。
けれど、皆は知らないのだ。
彼がこんなにも暖かく、優しいことを。
私は彼の本当の姿を知り、更に好きになっていった。
どうかこの幸せな時が、末永く続いてくれますように。
＿＿＿＿
あとがき
＿＿＿＿
チョコさんリクエストありがとうございました！
如何でしたでしょうか。
ちなみにピンク色のチューリップの花言葉は、
「愛の芽生え」「誠実な愛」
です。
花言葉を見て、これしかないと思いました。
書いていてとても楽しかったです。
これからもよろしくお願い致します。
彼の素顔_ゴーストフェイス→←本当の姿_エクセキューショナー
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巳鶴(プロフ) - 金魚きんぎょさん» お気に入り登録ありがとうございます！！これからも頑張らせて頂きます！！ (2021年9月6日 8時) (
レス) id: d6bf55c45e (このIDを非表示/違反報告)
金魚きんぎょ(プロフ) - トリスタとゴスフェ推しなのでめちゃめちゃドキドキしました！お気に入り登録さててもらいます！！ (2021年9月5日 14時) (レス) id: fd80c7906a (このIDを非表示/違反報告)
巳鶴(プロフ) - Ruiさん» こちらこそ、リクエスト頂きありがとうございました！喜んで頂けたようで大変嬉しいです！！応援感謝致します、これからも頑張らせて頂きます！！ (2021年7月11日 8時) (レス) id: d6bf55c45e (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - リクエストにこたえてくださり有難うございます！！めっちゃくちゃドキドキしながら読んでました！これからも応援してますので、更新頑張ってください！！ (2021年7月11日 1時) (レス) id: 317d4adb16 (このIDを非表示/違反報告)
巳鶴(プロフ) - Ruiさん» 初めまして！コメント＆お気に入り登録ありがとうございます！！トラッパーのお話ですね！了解致しました。今週中に書かせて頂きます！！ (2021年7月6日 14時) (レス) id: d6bf55c45e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巳門 零 | 作成日時：2021年5月4日 14時
