本当の姿_エクセキューショナー ページ9
殺人鬼、それは私達サバイバーが最も恐れるもの。
けれど、ある日私は、その殺人鬼の一人に恋をした。
エクセキューショナー…三角さんと呼ばれることもある(主に私がそう呼んでいる)彼は、その通り三角の形をした頭が特徴的であった。
彼の姿は一見人の様で、人では無い。
何とも言えない神秘的な姿に、私はとても惹かれ、一目惚れしたのだ。
(そういえば話したこと無かったな…)
いつもその姿を目で追うだけで満足してしまっていた。それだけで幸せだったのだ。
(今度の儀式終わり…話しかけてみようかな。)
会話が可能なのかすら分からないが、意思疎通ができれば充分だ。
数日後。
(今日のキラーは三角さん…何とか脱出したい。)
好きな彼に捕まるのも悪くは無いが、活躍している姿を見てもらいたいという気持ちもあった。
その為には何としても脱出しなければならない。
儀式開始から数分が経ち、一人は処刑されてしまったが、幸い残りの発電機は二つ。ラストチェイスの人が時間を稼いでくれれば勝てない状況では無い。
(心音が近い…ラストチェイスは私かな。)
予想が当たり、私は三角さんとチェイスする事となった。
(板はそこそこ残ってるし、窓枠の位置も分かってる。これなら、いけるかもしれない。)
あくまで儀式での勝利が目標だが、今の私にはそれよりも、自分のカッコイイところを彼に見てもらえるまたとない機会だった。
板を倒し、窓枠を飛び越え、それを繰り返し数分、
通電のブザーが鳴り響いた。
ゲート解放までの時間もギリギリ稼ぎ、仲間が待ってくれているであろうゲートの方向へと回り道をしながら走り、向かった。
(やった…脱出できた！)
心臓の鼓動が早い。チェイス中もずっとこうだったのだろうか。
何にせよ活躍した姿を見てもらえた。
しかし、余韻に浸っている暇は無い。
(今日こそ、話しかけるんだ。)
儀式後、三角さんの姿を探しにキラーの居る場所へと足を向けた。
どうやら儀式で手を抜かなければ、儀式外の事にエンティティは干渉してこないらしい。
(あ、三角さん！)
遠目で彼の姿を視界に捉えた。
恐らく椅子か何かに座って休んでいるのだろう。
とはいえどう声をかけようか、話しかける決心はしたものの、あと一歩踏み出せずにいた。
(こ、こういうのは勢いが大切だよね。)
段々と彼に近づく、緊張しているのだろう。身体の動きがいつもより硬いのが自分で感じられた。
気がつくと数歩目の前に彼が居た。
こちらには気づいていないようだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
巳鶴(プロフ) - 金魚きんぎょさん» お気に入り登録ありがとうございます！！これからも頑張らせて頂きます！！ (2021年9月6日 8時) (
レス) id: d6bf55c45e (このIDを非表示/違反報告)
金魚きんぎょ(プロフ) - トリスタとゴスフェ推しなのでめちゃめちゃドキドキしました！お気に入り登録さててもらいます！！ (2021年9月5日 14時) (レス) id: fd80c7906a (このIDを非表示/違反報告)
巳鶴(プロフ) - Ruiさん» こちらこそ、リクエスト頂きありがとうございました！喜んで頂けたようで大変嬉しいです！！応援感謝致します、これからも頑張らせて頂きます！！ (2021年7月11日 8時) (レス) id: d6bf55c45e (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - リクエストにこたえてくださり有難うございます！！めっちゃくちゃドキドキしながら読んでました！これからも応援してますので、更新頑張ってください！！ (2021年7月11日 1時) (レス) id: 317d4adb16 (このIDを非表示/違反報告)
巳鶴(プロフ) - Ruiさん» 初めまして！コメント＆お気に入り登録ありがとうございます！！トラッパーのお話ですね！了解致しました。今週中に書かせて頂きます！！ (2021年7月6日 14時) (レス) id: d6bf55c45e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：巳門 零 | 作成日時：2021年5月4日 14時
