【文スト】我、妖狐なり

再会と見定め ページ9

A「む？そこにおるのは、もしや治かえ？」


中也の方に注意を向けていたAがくるりと振り向いた。

目を輝かせ乍、太宰に小走りで近寄ってくる。



A「中也も成長しておると思うておったが、治の方が大きくなっておるのう！」



楽しそうだが、この発言はAだから許されるものであり、他の人が云えばヨコハマの海に浮かぶか、重力に圧し潰されてしまうだろう。



A「大きゅうなったのう…♪」



少し背伸びをしつつ楽し気に太宰の頭を撫でるA。
太宰も満更でもないように撫でられている。さながら親子のようだ。



A「折角帰って来たのじゃから、茶でも飲んで行くがよかろう」



太宰の頭を撫でているAに声をかけられた。

楽し気なAは犬ではないが、ゆらゆらと尾をゆらしている。
敦と芥川に視線をよこし、何か含んでいるような意味ありげな笑みを浮かべるA。

二人は先程の殺気とも会いまう形の為、少しばかりの恐怖を覚えたのであった。





太「あの、Aさん…？そろそろ頭撫でるの終わって貰えませんか…？」


A「ならぬ。もうしばらくそのままでおれ。儂の楽しみを奪うでない」


太「あ、はい……」



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スランプで全然更新出来ていませんでした。
短くて申し訳ありません……

知らぬ間に400hit超えていて驚きました。
これからも『我、妖狐なり』をよろしくお願いします。

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