ヤバい人 ページ22
敦はAの社へ行く為、茶衛山へ向かっていた。
就業時間に帰る準備を始めた敦に、太宰が絡んできた。
太「敦く〜ん。電話康成さんなのだろう?何と云われたんだい?」
敦「な、何でもないですよ!!」
太「ふぅん…じゃあ、私も行こう!」
敦「ええ!?」
断って強引に社を出てきたのだが、何処でどう抜かれたのか。
茶衛の麓で待ち受けていたのである。
これ以上は無理だと悟った敦は、軽やかに山道を上っていく太宰の後を追った。
太「ここまで来たのだし、電話の内容教えてくれても良いだろう?」
敦「(;ー_ー)…。Aさんの一番弟子さんが帰って来てるそうです。今日までしか居られないそうなのでご挨拶に行こうかと」
太「………敦くん、私帰るね」
敦「ここまで来て!?」
突然踵を返し帰ろうとする太宰。
この時、社の入り口である鳥居の前まで来ていた。
太「君も帰るんだ、春夫さんには会うもんじゃない…!」
敦「春夫さん?」
?「佐藤春夫。母さんの一番弟子で、一番ヤバい人だ」
敦「中也さん!」
太「げっ!最悪…」
「行くぞ」と素早く太宰の首根っこを掴んだ中也は、鳥居に手をかざし入っていった。
太「中也の鬼!嫌だぁぁぁぁ……!」
太宰の声はフェードアウトして消えていった。←
敦は少し怖いと思いつつ、ビィ玉の割れる音を聞き乍鳥居を潜った。
潜った先には立派な屋敷。
夕暮れの朱色に染まる社はとても綺麗で、見とれてしまった。
?「綺麗やろう、母様のお社は!だから俺は此処が好きなんや」
誰かに声を掛けられ振り返ると、赤茶色の髪の大柄な男性が、人懐っこい笑みを浮かべていた。
?「お前が新入りかぁ?俺は佐藤春夫!母様の傍に最初っからおる一番弟子や!」
「よろしゅう頼むわ!仲ようしてぇな!」
関西弁のこの男性が、佐藤春夫さんらしい。
春「して、母様に認められるっちゅうことは、其れなりの実力があるんやろうなぁ?俺にも見せてくれへんやろか」
敦「へ?」
太「(だから嫌だったのだよ、春夫さんに会うの…)」
春「精々しなんどってくれ…!」
敦の目の前を、春夫の重い拳が紙一重で通過した。
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ミカド(プロフ) - Akizakuraさん» コメントと応援、ありがとうございます!一応学生なので、勉強が本文なんて言ってるうちは頑張らないといけないですから…(;'∀')応援いただけましたので、更新頑張りますね!! (2018年8月21日 16時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
Akizakura(プロフ) - 学業が御忙しいんですね(´・ω・`)本当にお疲れ様です(*_*)大変だとは思いますがこれかも頑張ってください♪ヽ(´▽`)/応援してます(*´ω`*) (2018年8月21日 15時) (レス) id: 217d5b7b33 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - ルナ・スカーレットさん» コメントありがとうございます。見切り発車なので、現在私も悩んでいる最中です(;^_^A これからを楽しみにお待ちください! (2018年8月2日 18時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ・スカーレット - いつも楽しく見させて頂いてます!頑張ってください。ところで、太宰さんが息子の仲間入りする日は来るのでしょうか。 (2018年7月31日 16時) (レス) id: 5eea7c1ec6 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - 鈴華さん» コメントありがとうございます。鈴華さんの期待に答えられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2018年7月12日 23時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカド | 作成日時:2017年12月28日 18時