一番弟子 ページ20
Aの処から帰ってきてから、探偵社での時は目まぐるしく回っていた。
舞い込んでくる依頼に忙殺され、殆ど全員がフル稼働だ。
事務員の何人かの目元には、くま、が出来ているし、
敦はここ最近太宰が以前のようにふらりと外へ出ていくのを見ていない。
この現状で出ていくのは、流石の太宰もはばかられるのだろうと解釈し、終わりつつある仕事に向きなおった。
敦「終わったーーーー！！」
最後の書類を記載し終え、敦は椅子の背もたれにもたれて伸びをした。
長時間同じ姿勢でいたせいで、体のあちこちが痛い。
谷「お疲れ様、敦君」
敦「谷崎さん。お疲れ様です。今までにない忙しさですね…」
互いに苦笑いで、茶を口にした。
何時もより苦めに淹れているお茶は、仕事終わりの敦には特別苦く感じた。
他を手伝うべきかと考えていた時。
敦の携帯端末が振動し、着信を知らせた。
相手は非通知。
何故だか出なくてはならない予感がした。
敦「も、もしもし…？」
康「お久しぶりです、敦くん」
敦「康成さん！？え、何で僕の番号知ってるんですか？！」
大声を出してしまってから、今いるのが探偵社だと我に返った敦はそそくさと外に出た。
太「Aさん…貴方また見てるんですか。過保護ですねぇ」
康「急で悪いのですが母様の処に来てくれませんか？」
敦「僕一応仕事中なんですが…」
困ったように云う敦に、電話の向こうから辰雄の声が聞こえる。
辰「敦兄ちゃん、来てくれないの…？？僕の事嫌い…？」
敦「あ、ちがっ、そうじゃなくて…！」
何時の間に兄ちゃんと呼ばれるようになったのか、何で電話番号が分かったのか等、聞きたい事は幾らでもあるが、泣きそうな辰雄の声で全て霧散した。
康「仕事があるなら仕方ありません。辰雄くん、我慢して下さい。
用件を簡潔に伝えます。母様の一番弟子が帰ってきました。今日までしか居られないそうなので、終わったら会いに来てあげてください」
敦「一番弟子？」
康「はい、待っていますよ」
最後、「遊んでね！」という辰雄の声で電話は切られた。
敦「どうしよう…行った方が良いよね…」
敦は手伝いが終わり次第、Aの処に行くことにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカド(プロフ) - Akizakuraさん» コメントと応援、ありがとうございます！一応学生なので、勉強が本文なんて言ってるうちは頑張らないといけないですから…(;'∀')応援いただけましたので、更新頑張りますね！！ (2018年8月21日 16時) (
レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
Akizakura(プロフ) - 学業が御忙しいんですね(´・ω・`)本当にお疲れ様です(*_*)大変だとは思いますがこれかも頑張ってください♪ヽ(´▽｀)/応援してます(*´ω｀*) (2018年8月21日 15時) (レス) id: 217d5b7b33 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - ルナ・スカーレットさん» コメントありがとうございます。見切り発車なので、現在私も悩んでいる最中です(;^_^A これからを楽しみにお待ちください！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ・スカーレット - いつも楽しく見させて頂いてます！頑張ってください。ところで、太宰さんが息子の仲間入りする日は来るのでしょうか。 (2018年7月31日 16時) (レス) id: 5eea7c1ec6 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - 鈴華さん» コメントありがとうございます。鈴華さんの期待に答えられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2018年7月12日 23時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミカド | 作成日時：2017年12月28日 18時
