昔話 ページ17
敦と太宰は社長室へ入室した。
福「話とは何だ、太宰」
太「単刀直入に言いますと、敦くんがAさんに認められ、弟子になるように誘われています」
福「Aさんの目に狂いはない。認められたのは誇るべき事だ」
太「私もそう思うのですが、本人が悩んでいまして。社長から何か一言いただけたらと」
この上司は何を言っているのか。
二人のAに対する絶対的信頼は何なのか。
どう考えても敦には分からなかった。
分かるのは、無条件に信頼出来る程Aを疑っていないのだという事ぐらいだ。
別の処に意識が持っていかれそうになった敦だが、福沢が口を開けば戻ってこざるをえない。
福「私は認められなかった。とはいえ、その時はAさんが認めた者はおらず、私はある人の付き添いで行っただけで、何一つAさんの事など知らなかった」
敦「ある人?」
太「夏目先生ですか」
福「うむ。夏目先生とAさんは旧知の仲で、夏目先生が一時期Aさんの世話をしていた事があったそうだ」
Aが世話をされているのを想像した太宰は少し笑う。
敦はAは既に康成に世話をされている様に見えたので、そこまで違和感はない。
なお、敦が現在の正解である。
福「Aさんに会ったのか」
太「はい。正確にはAさんの弟子である川端康成さんに誘われたのですが、その誘いもAさんの提案でしょう」
福「話したいという理由だけで強制的に神隠しに会わされた事もある。三日消えたお陰で依頼が滞った」
なんと理不尽な神隠しだろう。
その後お礼の依頼人たちへの菓子折りと、大量の駄菓子が届いたそうだ。
神隠しの際、一番機嫌が悪かったのは乱歩だと云うから、Aは何処までもお見通しだ。
Aの話に関して話題が尽きる事はなく、太宰と福沢は中々の時間を話し込んだ。
敦は決定材料になる話が無いかと聞き入ったのである。
一方その頃、茶衛山のAの社で。
?「只今帰りました」
A「おお!帰ったかや。久しいのぅ…まともな連絡も寄越さず何をしておった」
?「すいません。此方もそうそう連絡が出来ないのですよ」
A「母の心をちと知ろうとは思わんのか。まぁ良い。話を聞かせてくりゃれ」
?「はい、母様(ははさま)」
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ミカド(プロフ) - Akizakuraさん» コメントと応援、ありがとうございます!一応学生なので、勉強が本文なんて言ってるうちは頑張らないといけないですから…(;'∀')応援いただけましたので、更新頑張りますね!! (2018年8月21日 16時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
Akizakura(プロフ) - 学業が御忙しいんですね(´・ω・`)本当にお疲れ様です(*_*)大変だとは思いますがこれかも頑張ってください♪ヽ(´▽`)/応援してます(*´ω`*) (2018年8月21日 15時) (レス) id: 217d5b7b33 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - ルナ・スカーレットさん» コメントありがとうございます。見切り発車なので、現在私も悩んでいる最中です(;^_^A これからを楽しみにお待ちください! (2018年8月2日 18時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ・スカーレット - いつも楽しく見させて頂いてます!頑張ってください。ところで、太宰さんが息子の仲間入りする日は来るのでしょうか。 (2018年7月31日 16時) (レス) id: 5eea7c1ec6 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - 鈴華さん» コメントありがとうございます。鈴華さんの期待に答えられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2018年7月12日 23時) (レス) id: b4b24d9cc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカド | 作成日時:2017年12月28日 18時