特別警報9 ページ29
「おい！加賀！俺を助けてくれ！」
「……………………」
「無視かよ！」
「うるさいなあ黙れよ黒尾」
黒尾先輩は加賀先輩に話しかけたが、まさかのスルー対応。
そのあとの黒尾先輩の涙の懇願が伝わったのか、しょうがなく加賀先輩は返事をした。
私を隔てて二人がよく分からない会話を始めた。
「なあ、こいつらがさ、今なんか喧嘩しててさ、彼氏と仲の良い俺に被害が及んでんの。助けてくんね？」
「え？喧嘩？じゃあ俺Aちゃん狙えるじゃん。珍しく使えるな、黒尾」
「使う気あんなら俺を助けてくれ。交換条件だ」
黒尾先輩が余分なことを教えたせいで、どんどん変な方向へ話が進んでいく。
私も必死に冬馬くんの話を聞いているが、あまりに話が気になるので、まったく耳に入らない。
「助けるって、具体的に何を。それ指定してよ」
「あー……。いいわ、お前A狙え。そしたら研磨も動くから勝手にことが進むわ」
「ちょ！やめてくださいって！」
「お前らうるせえ」
勝手に話が進んで、なぜか黒尾先輩により私を狙う許可がおりそうになったので、さすがに私は口を出した。
ちょうどいいタイミングで冬馬くんからストップがかけられた。
嬉しいやら悲しいやら。絶対私も怒られるよね。
「おい、お前ら話聞いてたか」
「ばっちり」
「ぜんぜん」
「…………」
冬馬くんの質問に、加賀先輩、黒尾先輩、私の順で答える。
私は答えてすらいないけど。
「……雄大は本当に聞いてそうだな……。よし、黒尾、お前は俺がじきじきに教える。Aは研磨に教えてもらえ」
「「ええええええええ」」
「不満か？」
「「いえ」」
あまりのことに、黒尾先輩と揃って大声で拒否するが、圧が凄すぎて従うしかない。
黒尾先輩はさっさと隣の生徒会資料室に連れていかれる。
私は研磨の方をそっと見た。
…………おおう。視線が痛い。
周りを見渡すと、既に生徒会の人たちは帰っていて、加賀先輩とみのりちゃんも帰ろうとしていた。
「じゃあ、僕はこの子を送るから。研磨くん、あとはよろしく」
「はい」
えええ、待ってよ先輩！みのりちゃん！
視線で訴えるが意味もなく撃沈。バタンと扉は閉まった。
…………生徒会室には、研磨と二人きりとなってしまった。
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帝@シーチキン - 本当でした!すいません、わざわざありがとうございます!すぐ訂正しますね (2016年7月31日 16時) (
レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
大空♪(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！あと、５飛ばしてますよ！ (2016年7月31日 16時) (レス) id: 64041b24cb (このIDを非表示/違反報告)
帝@シーチキン - ありがとうございます!すごい自信になります!きちんと応えられるよう頑張ります! (2016年7月31日 13時) (レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
美鶴(プロフ) - この作品大好きです！頑張ってください！ (2016年7月31日 13時) (レス) id: 99a34cabf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：帝＠シーチキン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MikadoSiic1/
作成日時：2016年7月30日 12時
