警報16 ページ18
二人でやってきたのは、もう私の中ではお馴染みとなった、特別教室の集まった棟の最上階の隅。
研磨はそこに座りこんだので、私は研磨とは少し距離を空けて、同じ壁側に座り込んだ。
お互い何もしゃべらず、六時間目を告げるチャイムが鳴るまで黙ったままだった。
そういえば、友人たちは、きちんと研磨に連絡してくれたらしい。さすがだ。今度カフェでコーヒーでも奢ろう。
「A」
「は、はい」
「......ごめん」
「......なんで?」
思わず研磨の方を向いてしまったが、研磨は体育座りをして、膝の間に顔を埋めていた。
もちろん女子の私はそんなことできるはずもなく、足を伸ばして座っている。
視線を合わせたくないからか、と勝手に結論づけ、研磨の返答を待った。
「本当に俺がAを好きなら、側を離れたりしなかった。......こうはならなかった」
「でも、一番に駆けつけてくれたじゃん」
「............」
衣擦れの音で、研磨が顔を上げてこっちを向いたことが分かる。
ちなみに私は顔を埋める場所もなく、じっと目の前の壁に視線を向けていた。
「嬉しかったよ、まだ、私のこと思ってくれて」
「......話さなくなってからも、ずっと、好きだった」
研磨はそう言うと、ゆっくりと立ち上がり、私の隣に腰を下ろした。
コテンと首を傾げてくれて、懐かしい気持ちになる。
私は今までずっと考えていたことを呟いた。
「私さ、あのとき、研磨が"嫌い"って言いそうになって、怖かった。いつもみたいに、研磨がこうして私と一緒に居てくれなくなるような気がして......。
でも、私は、前に研磨にわざと冷たくして、でも研磨は逆に私と一緒に居てくれて......。
もう一緒じゃなくなるのが怖くて......、でも似たようなことを私は前に......」
「A」
研磨に名前を呼ばれて我に返って、気づいたら研磨の腕の中にいた。
急にこんなことになって訳も分からず、とりあえず黙る。
「......俺の寂しさが分かるんなら、ずっと一緒に居るから」
「研磨......」
「好きです、A。俺と付き合ってください」
「......研磨!!」
嬉しすぎて思わず抱きついた。
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帝@シーチキン - 本当でした!すいません、わざわざありがとうございます!すぐ訂正しますね (2016年7月31日 16時) (
レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
大空♪(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！あと、５飛ばしてますよ！ (2016年7月31日 16時) (レス) id: 64041b24cb (このIDを非表示/違反報告)
帝@シーチキン - ありがとうございます!すごい自信になります!きちんと応えられるよう頑張ります! (2016年7月31日 13時) (レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
美鶴(プロフ) - この作品大好きです！頑張ってください！ (2016年7月31日 13時) (レス) id: 99a34cabf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：帝＠シーチキン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MikadoSiic1/
作成日時：2016年7月30日 12時
