警報15 ページ17
「け、んま......」
もう危ないと思って目を閉じた。でも、音がしたわりに痛くも痒くもない。
不思議に思って目を開けると、そこには研磨が神田友恵の腕を握って立っていた。
急な登場に動揺し何も喋らないでいると、遠くから冬真くんの声が聞こえる。
しばらくすると、冬真くん、加賀先輩、黒尾先輩、教師がやってきた。
「A、無事か!?」
「うん、研磨くんのおかげで......」
冬真くんの問いにそう答えると、安堵し思わず座り込んでしまった。
研磨くんは神田友恵を教師に預けると、そっと私に近寄ってきた。
「......ありがとう」
「うん。......無事でよかった」
研磨くんはそっと私に手を差しのべてくれて、そっと手を乗せる。
話を聞くため、私は先生と一緒についていくことになる。
冬真くんは、今までのことを知っているため、第三者の意見として(実際は危ういが)、そして生徒会長としても同席するらしい。
二手に別れる際、黒尾先輩は近寄ってきて、こそっと耳打ちしてくれた。
「実は、研磨が切羽詰まって電話がきて、急いで来たんだよ。研磨が一番だったがな」
言いたいことを言うと、ニヤリと笑って去っていった。
キーンコーン......と、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
これで、この事件も終わる。
これだけ事が大きくなり、逃げたお姉様方も、神田友恵も、きちんと処罰されるらしい。
話すだけ話し、お姉様方と入れ違いで私は指導室を出た。
もう指導室にいる人たちと関係はなくなるだろうが、嫉妬でここまでするのかと、同じ学生として怖くなる。
......お気の毒に。
「......A。この事件は解決した。あとはお前ら二人の問題だ」
「なに、問題って......」
一緒に教室に戻ろうとしていたのに、冬真くんは急に立ち止まりそう言った。
視線の先には研磨がいた。
「......お前らなら、大丈夫だろ」
「うん」
そう言って冬真くんは去っていった。
廊下には私と研磨の二人きりとなる。
「......二人きりで、話したい」
「......そうだね、移動しようか」
研磨の言葉に一言付け加えて同意する。
以前のように、二人である場所に移動する。
違うのは、二人の間には、独特の距離が空いていた。
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帝@シーチキン - 本当でした!すいません、わざわざありがとうございます!すぐ訂正しますね (2016年7月31日 16時) (レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
大空♪(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!あと、5飛ばしてますよ! (2016年7月31日 16時) (レス) id: 64041b24cb (このIDを非表示/違反報告)
帝@シーチキン - ありがとうございます!すごい自信になります!きちんと応えられるよう頑張ります! (2016年7月31日 13時) (レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
美鶴(プロフ) - この作品大好きです!頑張ってください! (2016年7月31日 13時) (レス) id: 99a34cabf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:帝@シーチキン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MikadoSiic1/
作成日時:2016年7月30日 12時