警報9 ページ11
「............きた」
「きたな」
「うわー、性格悪っ」
「まあ、音は鳴らないが......」
私、冬真くん、黒尾先輩、加賀先輩の順に、それぞれ思い思いの言葉を呟く。
ここは生徒会室。作戦決行から約二週間たち、遂に私達は犯人をカメラにおさえることに成功した。
......実はムービーだったけど。
どうやら今回の件で撮影係になった子は、「シャッター音が鳴らないように」を忠実に守ったらしい。
......やけに撮影が上手いな。何か執念でもあるのか、動画はまだ続いている。
私をずっと盗撮していた女の子は、万が一私が振り返ったときに備えて、常に友人の後ろから撮影していた。
この時点で、大切な友人を売った、ということになる。
で、そのあと携帯をしまい、廊下の角を曲がったところでまた携帯をいじっている。
これは、動画にしてもらって正解だったかも。
この犯人、私たちの予想を一歩上回っていた。
普通、こういうのは一人でやるものかという先入観があった。それを今回取り払えたのは、よかったかもしれない。
木を隠すなら森に、人を隠すなら人混みに。見事だと思う。
なんともかわいそうなのは、いつも一緒にいる友人だ。あとで話を聞く必要がありそうだ。
女の子が携帯をポケットにしまい、動画は終わった。
みんなまだ何か考えてるのか、黙ったままだった。
......黒尾先輩はチラチラ扉の方を見ているが。
そういえば部活思いっきりサボってますよね、先輩。研磨に何か言われても私知らなーい。
「......さて。もういいだろ。この動画を撮ってくれたやつを、お前ら知りたいだろう。なあ黒尾」
「えぇえ!?......お、おう」
冬真くんと黒尾先輩は何かを知っているのか、まるでそんな風に言ってきた。黒尾先輩はまんざらでもなさそうだが。
加賀先輩と顔を見合わせて、考えた結果、お願いします、と言った。
「A、元凶は俺だが、今回の元凶は霧崎だからな!?いいか、言ったぞ!?」
「はい?なんのことです、か......」
ゆっくりと開けられた生徒会室の扉の前に立ったのは。
研磨だった。
＃＃＃
シリアスに推理なんかもプラスされた、もう以前とは比べ物にならない作品になったなあと思うのに、
読んでいただいているんだなあ、としみじみ思う今日この頃です。
毎度お読みいただきありがとうございます!
だんだん一話が長くなってます。
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帝@シーチキン - 本当でした!すいません、わざわざありがとうございます!すぐ訂正しますね (2016年7月31日 16時) (
レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
大空♪(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！あと、５飛ばしてますよ！ (2016年7月31日 16時) (レス) id: 64041b24cb (このIDを非表示/違反報告)
帝@シーチキン - ありがとうございます!すごい自信になります!きちんと応えられるよう頑張ります! (2016年7月31日 13時) (レス) id: d212f37b7b (このIDを非表示/違反報告)
美鶴(プロフ) - この作品大好きです！頑張ってください！ (2016年7月31日 13時) (レス) id: 99a34cabf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：帝＠シーチキン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MikadoSiic1/
作成日時：2016年7月30日 12時
