36 許してくれ給へ ページ10
太宰side
｢い"っ、たいなぁ!｣
中也に殴られた。
予想打にもしなかった事で無様に顔が酷い勢いで横を向いた。
鼻から血が流れるのが分かった、切れて口内が血液で満たされていくのが分かった。
唾を吐くように血を吐けば、酷い量の血が床に散る。
き、と睨めば中也はまだ殴り足りないのか拳を構えていた。今度は腹を殴られた。
｢かはっ...!!｣
血と共に唾液も散った。
身体がくの字になって、病室の後方へ飛んでいった。
何でそんなに怒るのだろうか、中也はAちゃんを殺そうとしているのだろう？
何故、そんなにも怒りと悲しみに満ちた瞳で私を殴ってくるのか理解できない。
｢許されねェ事をしたのは重々承知してるンだろうな？｣
｢全く、私への扱いが酷すぎないかい？｣
｢質問に答えろ、もう一発喰らいてェのか？｣
それは嫌だ、私は中也を煽るように
｢許されない事なんてしていないけど｣と答えた。
やはり中也は挑発に乗りまた私を殴ろうとした。
だが、流石にもう喰らわない。私は中也の額を人差し指の先でつついた。
｢君はAちゃんをどうしたいんだい｣
中也は黙り込んだ。
中也だって自分がしている事が先日の言葉と矛盾していることくらい気付いている筈だ。
本当は守りたいのだろう？傷つけたくないのだろう？
何故君はそんなにも素直になれないのだろうか。
｢私も君と同じでAちゃんを守りたい
だからあの選択をするしか無かったんだ、許してくれ給へ｣
許してくれとは云うものの、許されざる事を私はしてしまっている。
私は中也が来る前にAちゃんに繋がれた点滴を引きちぎった、酸素吸入器も外した。
だから今Aちゃんは相当危険な状態に陥っている。
今は手術室の待機場に居る与謝野女医からも頬に平手打ちを喰らった。
でもこうするしか方法は無い。
彼処にはあのマフィアでも入ることは出来ないし、ましてや誰も近付く事は出来ない。
少しの時間稼ぎと釣り合わない事をしてしまったのは分かってる、元々Aちゃんを危険な目に合わせないようするのも不可能な事も全て分かっている。
だから乱歩さんも賛同してくれた。
皆の意見があってこその作案を台無しにすることは出来ない。
だから、Aちゃん、中也許してくれ給へ。
｢...明後日、又此処へ来る
その時は容赦なく、芹沢をぶッ殺す｣
｢やってみ給へよ、やれるものなら｣
私は殴られた頬を摩った。
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生華(プロフ) - 乱歩ルート期待の敦くんの妹いさん» 有難う御座います、更新出来てなくて本当に申し訳ないです。貴女様のコメントに励ませれました…これからも何卒宜しく御願いします！ (2018年5月27日 23時) (
レス) id: 4d8bd19d6f (このIDを非表示/違反報告)
乱歩ルート期待の敦くんの妹い - この作品？小説？僕好きです！応援します！頑張ってください！(語彙力は小…中也の素敵帽子にバリムシャァされました。 (2018年5月23日 19時) (レス) id: 4a14a6da47 (このIDを非表示/違反報告)
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