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22話 ページ25

あの混乱から二千年の時が経った

この世界になんら変わりはない

いつも通りの退屈な日々
それが今日も続くと思っていたのだが、

「……災厄、ねぇ」

自室の椅子に座り、呟く
目の前には、いつもの無表情を浮かべたサタナエルが立っていた

彼女は告げる

「小さな島から順に浮力が失われています。すでに十の島が空の底へと落ちました。原因として……」

「四大天司の誰かが襲われたのか?」

「はい。ラファエル様が何者かに襲われたようです。その時に四大元素の釣り合いが均衡を保てなくなったのかと」

「なるほど。その何者かについての情報は?」

「ある天司がパンデモニウムから脱走したと報告がありました。それ以外は何も」

「ふむ……」

四大天司がそう簡単に襲われるとは
相手はそれなりに手強いらしい

パンデモニウムからの脱走ということは、あの混乱の反乱者だ

二千年の時が経っても、彼らの意志は変わらないらしい
その執着には目を見張るものがある

「ルシフェルは?」

「天司長はパンデモニウムの監視を務めるとのことです。あとの指揮はA様に任せると」

「わかった」

私はそう言って、椅子から立ち上がる
それから彼女に向かって言った

「では、今回の指揮は君が」

私の言葉に、サタナエルが大きく目を見開く
私は続ける

「他の仕事はもう全て覚えた。あと君が身につけるべきことは指揮、他の天司たちを統率することだ」

「しかし、今回の件は天司たちだけの問題ではなく、空全体の問題です。私が指揮を執るより、A様が指揮を執るべきです」

「何事も挑戦だよ。それに、私がいつ使い物にならなくなるかわからない」

私の言葉に、サタナエルの瞳が揺れる
なぜか、少し傷ついた顔をする

強く言いすぎたか?

いつもならこの程度でへこたれる子ではないのだけど

「……君ならこの仕事をこなしてくれると信頼してるから、言ってるんだよ」

出来るだけ優しい声で、フォローを入れる
だが、彼女の顔は晴れない

何か言いたそうにして、飲み込み、彼女は答えた

「わかりました。では、A様はどうなさるおつもりですか?」

「うーん、そうだなぁ…」

彼女の問いに、私は考える
そして言った

「私は外……空の様子を見に行こう」

また、四大天司の力が一つ衰えた
このまま行くと全滅、なんてことになりかねない

流石にそれは見逃せないのだ

「だから、ここのことは任せたよ」

「はい、わかりました」

彼女の返答を聞き、私は空へと飛び出した

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うさ - 続き楽しみにしてます。 (2019年6月30日 18時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
東雲ノア(プロフ) - 表現、話の内容、書き方全てがとても好みです。久し振りに素敵な作品に出会えました。陰ながら応援してます。 (2019年4月5日 12時) (レス) id: be86295bcb (このIDを非表示/違反報告)
こまこ - 最高です。 (2019年3月24日 4時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月14日 13時

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