3話 ページ5
今日、初めてオフというものを貰えた
いわゆる休暇だ
今まで働き詰めだったため、たまには休めとの天司長からのお達しだ
一通りの天司を作り終え、仕事が落ち着いたのも要因の一つだろう
どうせならルシフェルも休めばいいのに、と思ったが言わなかった
何せ彼は天司長だ
私とは立場が違う
まだここは組織としての歴史が浅い
彼の統率なしでは形成できないだろう
いずれは彼なしでも動けるようになってもらうつもりだが
彼が完璧だからと言って、全てを任せてはいけない
彼がいなくなった時の打撃が大きいからだ
彼がいなくなるという状況が起こる可能性は低いが、イレギュラーもある
部下が育てば私たちの仕事も楽になるし、一石二鳥というやつだ
そんなことを考えていると、声をかけられた
「A様」
その声の方へと視線を向ける
するとそこには白と赤の美しい女が立っていた
私は穏やかに微笑み、彼女に答える
「ミカエルだね。どうかしたのかい？」
四大天使の一人だ
彼女は『火』を司る天司
「少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか」
「ああ、問題ないよ。何かな？」
私の言葉に、彼女は安堵したように息を吐く
それから彼女はある資料を取り出し、言う
「この付近に出た星晶獣のことなのですが……」
私がその資料を見ようとした瞬間、視界が塞がれる
そのままぐいっと後ろに体を引かれた
ポフッと誰かの体にもたれかかる
「おっとA、ダメじゃないか。せっかくのオフだろう？」
よく知る声が聞こえる
その声を聞き、私は言った
「ベリアルか」
「ご名答」
そう言って彼は私の視界を塞いでいた手を退かす
振り向くとそこには、やはりベリアルがいた
ミカエラの姿勢が更に良くなる
「ふ、副官！」
「ふふ、そんなに緊張しないでいいよ、ミカちゃん」
「し、しかし……」
戸惑うミカエラに楽しそうに微笑むベリアル
それから彼は申し訳なさそうに言う
「ごめんね、Aは今日初めてのオフなんだ。彼女は今まで働き詰めでね……何せ彼女は仕事が多い。明日からも激務に襲われることになるだろう。だからせめて今日だけでも休ませてあげたいんだ」
「そうだったのですか……。いえ、こちらこそ申し訳ありません」
「いや、大丈夫だよ。休みと言っても特にやることもないしね」
「前はあれが食べたい、あそこに行きたいとか色々言ってなかった？」
「うっ……」
彼の鋭い指摘に思わず呻く
ミカエラはそんな私たちを見て、笑っていた
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うさ - 続き楽しみにしてます。 (2019年6月30日 18時) (
レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
東雲ノア(プロフ) - 表現、話の内容、書き方全てがとても好みです。久し振りに素敵な作品に出会えました。陰ながら応援してます。 (2019年4月5日 12時) (レス) id: be86295bcb (このIDを非表示/違反報告)
こまこ - 最高です。 (2019年3月24日 4時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年3月14日 13時
