異世界からの異端児 second1 (ページ6)

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4話ページ6

約一週間後日本帝鬼軍本部にて

ぐーぐーと健やかないびきが、会議室に響いている
それに痺れを切らしたのか、この組織のトップである柊天利が言った

「おい、一瀬グレン」

その呼びかけに、グレンが目を開く

「んぁ？ああ、クソ長ぇ会議は終わったか？」

彼の生意気な態度に、柊天利は顔を顰める
先程より、声が低くなる

「その態度はなんだ……一瀬家の分際で……」

「これはこれは柊天利様、失礼しました。なんせひどく退屈だったもので」

「貴様……いい気になるのも……」

「まあまあ、彼の態度はいつものことでしょう」

二人の言い合いを仲裁したのは深夜兄さんだ
彼はいつもの微笑みを浮かべながら言う

「話を続けましょう。関西方面の吸血鬼たちが不穏な動きをしている情報についてなんですが……」

そこで、グレンが席を立つ
面倒そうな表情を浮かべながら言った

「俺、行っていいか？情報は後でまとめてくれよ」

その言葉に深夜兄さんは苦笑する

「ちょっとグレン。あんまり態度悪いと、さすがの僕もフォローしきれないんだけど」

「はっ、誰がフォロー頼んだっけ？」

「……もぉ」

グレンのあんまりな言葉に、深夜兄さんはやはり苦笑する
相変わらず彼はグレンに甘い

それを見て、私は隣に座る暮人兄さんに小声で話しかける

「亭主関白と良妻賢母。あの二人の関係ってそんな感じだよね、どう思う？暮人兄さん」

「……俺はおまえの頭が心配になってくるよ」

暮人兄さんから呆れた視線が向けられた
反対側の席からは、征志郎兄さんがこちらを睨んでいた

「きめぇこと言ってんじゃねぇよ」

聞いてもいないのに感想を言ってくれた

しかも暴力付きだ
征志郎兄さんが机の下で私の足を蹴る

「……暴力はんたーい」

征志郎兄さんに言ったが、無視された
そんなことが起きてることなど全く知らないグレンは言う

「それに、この日本帝鬼軍はお偉い柊家様たちが牛耳ってるんだ。なら分家の一瀬家はお呼びじゃないだろ？」

グレンの言葉に、征志郎兄さんが鼻で笑った

「はっ、よくわかってんじゃねぇか。ならさっさと消えろよクズ」

「……だから消えるっつってんだろ」

グレンは呆れたように笑い、踵を返す

「じゃあな」

その言葉を最後に、彼は本当に部屋を出ていってしまう
一瞬の沈黙の後、私は苦笑した

「……じゃあ、会議を再開させましょうか」

そしてまた、クソつまらない会議が再開された