検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:40,964 hit

3話 ページ5

そのまた翌日、執務室の扉がノックされた
視線を寄越すと同時、扉が開かれる

入ってきたのは義理の妹であるシノアちゃんだ

彼女がもう一人の監視官である
今日はその報告をしに来たのだろう

彼女は私の机に積まれている書類を見て、へらりと笑う

「こんばんは、A姉さん。今日もお仕事大変そうですね」

「シノアちゃん、手伝ってくれてもいいんだよ」

「あはは。遠慮しときます〜」

シノアちゃんは半眼で、へらへらと笑う

彼女も8年前と比べるとだいぶ成長した
真昼にも劣らない美少女だ

……身長と胸は、あまり成長していないが

それはさておき、私は聞く

「二人はどうだった?」

「はい、早速ですがお二人共、お友達ができたようですよ」

その言葉に、私は目を丸くする

あの捻くれ者の二人が?
1日で友達を作った?

シノアちゃんは報告を続ける

「いじめられっ子だった早乙女与一くんを助けて、そのまま懐かれたみたいですね〜。与一さん自身が友達と言っていましたし、お二人も満更でもなさそうでしたよ?」

「思ったより早かったなぁ」

「これで約束、守らなきゃいけなくなりましたねぇ」

その言葉に、私は苦笑する

まさか昨日今日で謹慎が解けるとは
また色々と手続きをしないといけない

シノアちゃんは続ける

「ですが優さんは吸血鬼との交戦で負傷し、今は気を失っています」

そういえば今日、吸血鬼が脱走したとの報告があった
吸血鬼は無事に退治され、死人は出なかったと聞いているが

「そんなに重症なの?」

「日向さんと与一さんに勢いよく抱きつかれ、吸血鬼との交戦時に脱臼した肩に負荷がかかったらしく、あまりの痛みに気を失ってしまったみたいです」

「あはは、その調子だと大丈夫そうだね」

微笑ましい話だ
次期に優も目を覚ますだろう

私は言う

「わかった、三人に新しい制服を渡しておいて」

「三人?」

「監視を頼んでいた二人と、早乙女与一くんの分」

それに、首を傾げるシノアちゃん
私は答えた

「せっかく二人の友達になってくれたしね。与一くんって前回の入隊試験で落とされた子でしょう?だけど彼には才能がある。通わせても問題無い」

「A姉さんがそうおっしゃるなら異論はありませんが……」

一応は納得してくれたらしい
というか、それ以前に興味がないのだろう

彼女は滅多に心が動かない

私は言う

「じゃ、引き続き監視をよろしくね」

「あはは〜、了解です」

気の抜けた返事をして、彼女はいつも通り笑った

4話→←2話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
57人がお気に入り
設定タグ:終わりのセラフ , 転生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もちもち | 作成日時:2020年2月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。