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2話 ページ4

「あ、Aさんおかえりー」

翌日の夜、家に帰ると日向がいた

しかも勝手に家のゲーム機で遊んでやがる

次に、洗面所から優が出てきた
優は私の姿を見た瞬間、問い詰めてくる

「おいA!!」

髪から滴る水滴が、床に落ちる
彼が何か言う前に、近くにあったタオルを彼の顔に投げつけた

「わぶっ」

「ちゃんと乾かせ。床が濡れる」

それに不服そうな表情を浮かべながら、彼は髪を拭き始める
こういうところは意外に素直だ

キッチンの方を見ると、輝が晩ご飯の用意をしている
私は彼に聞く

「なんで部屋に入れた?」

合鍵を持ってるのはこいつしかいない
つまり、部屋に入れたのもこいつだ

「しょうがねぇだろ、こいつら俺が入れるって言うまで仕事についてくるんだから」

「……意地でも入れるなよ」

「無理言うなや」

輝が苦笑するのに、私は溜息を吐いた

キッチンから出て、ダイニングの椅子に座る
隣に座っていた優に聞く

「で、何そんな怒ってんの?」

「……わかってんだろ、謹慎のことだよ」

そこで、ゲームを終えた日向もやってくる
彼女は私の前の席に座り、聞いた

「それ、私も説明聞きたい。なんで私たちが謹慎になるの?バケモノを倒したのに」

「独断専行に命令違反、謹慎の理由はそれで充分でしょう」

「だからって友達作れねーと謹慎解けないっておかしいだろうが!?」

優が癇癪を起こす
相変わらずキャンキャンうるさい子供だ

納得できていないようなので、説明してやる

「おまえらには協調性が足りない。だから学校行って、友達作って、協調性を養えって言ってるんだよ」

「そんなことして何の意味があるの?」

「それに俺にはそんなことしてる暇ねぇんだよ!早く、吸血鬼を……」

「一対一じゃ絶対吸血鬼には勝てない。だからチームを組んで吸血鬼を殲滅する。そのためには協調性が必要。わかった?」

「俺は一人でも吸血鬼に勝てる!!」

優の言葉に、私は溜息を吐く
彼の首に、手を当てる

少し手に力を入れれば、こいつなんて簡単に殺せる

「私より弱いくせに何言ってんだ、クソガキ」

「っ…!!」

彼は息を呑み、私の目を見つめる
日向は先程の話で理解したのか、それ以上は何も言ってこない

「おい、ご飯できたから運ぶの手伝え」

キッチンから輝の声が聞こえた
優の首から手を外す

優の横を通り過ぎる際、彼の頭を軽く撫でる

「そんなに焦るなよ」

それだけ言って、私はキッチンへと向かった

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作者名:もちもち | 作成日時:2020年2月27日 0時

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