異世界からの異端児 second1 (ページ22)

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20話ページ22

「A中将！！あたしは納得できません！！」

元気な声が辺りに響いた
その声の主、三宮三葉を見下ろす

三宮家の子女の女の子だ
葵の妹でもある

無愛想な葵とは違い、彼女は感情豊かだ

「なんであたしが新人ばかりの部隊に配属されるんですか！？あたしは13の時から殲滅部隊にいるエリートですよ！！」

「だから君をこの部隊に入れたんだよ、新人たちだけだと心配だからね。君がいてくれると安心だ」

その言葉に、少しだけ彼女の表情が明るくなる
エリートって結構チョロい子多いよなぁ

思わず美十ちゃんの顔が頭に過ぎった

しかし、三葉ちゃんが言う

「百歩譲ってあたしが新人教育の分隊長になるっていうのならわかります！！でもいっつもへらへらしてる柊シノアが分隊長だっていうじゃないですか！！そこを説明してください！！」

そこで、ここのメンバーが全員集まったのに気づく
三葉ちゃんの言葉を無視し、言う

「あ、揃ったね。じゃあ今から君たちに命令を……」

「現れたな、柊シノア！！」

言葉を遮られ、思わず半眼で三葉ちゃんを見た

上官の言葉を遮るなんていい度胸だ
これでも一応、柊家なんだが

シノアちゃんが笑いながら、彼女にヒラヒラと手を振る

「はーい。私が現れましたよ、みっちゃん」

「おーいシノアちゃん、喧嘩しないでね。彼女はこれから君の分隊に……」

「もちろん大丈夫ですよ中将。私は大人なので、実力のない負け犬の遠吠えなどひらりふわりとかわしてみせます」

早速喧嘩売ってんじゃねぇか

案の定、三葉ちゃんが挑発に乗る
でかい斧を具現化する

「ぶっとばす！！！」

「あはは～」

シノアちゃんも笑って大鎌を具現化する
ガギィンッと金属音が鳴り響く

それに溜息を吐き、パチンッと刀を抜く
二人の武器目掛けて、刀を振り上げる

ガンッと音が鳴って、彼女たちの手から武器が離れる

私の行動を見て、二人は顔を青くする
私は言う

「シノアちゃん」

「はい」

「喧嘩はするなって言ったよね？」

「……すいません」

「三葉ちゃん」

「は、はい！」

「このチームに何か不満が？」

「いえ、ありません！！」

彼女の元気な声が響いた
他のメンバーは私を見て、表情を痙攣らせていた

……ま、これでもう我儘は言わないだろう

「ということで、この子が君たちの新しい仲間の三葉三葉だ。仲良くしてあげてね」

私の言葉に、ここにいる全員が勢いよく頷いた