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体育館は、校庭を挟むようにして校舎の反対側にあった
その体育館の扉を開く
「白鳥Aか」
よく通る、冷たい声
私はそちらへと視線を移す
体育館の中心に、一人の男が立っていた
そしてその男は、見たことがあった
以前、私を監視していた男だ
柊暮人
この学校の、生徒会長
柊家の中でも、柊真昼と並ぶ実力者で、入学以来、この学校の首席の座を維持し続けている、という噂の男だった
「入れ」
「失礼します」
私は頭を下げ、体育館に入る
彼とは少し距離を置いたところで、止まる
やはり、雰囲気がある
強い意志が篭った瞳に、きっちりと手入れされた黒髪
腰には日本刀をぶら下げ、腕には生徒会の腕章がついている
隙がない
だが、威圧感もない
彼は冷淡な瞳でこちらを見据え、
「質問がある。答えろ」
「はい」
「おまえは四月に襲撃してきた《百夜教》にこの学校の情報を、売ったか?」
あまりにも単刀直入な質問に、少し驚く
その動揺が表に出ないよう、笑みを浮かべ、答える
「いいえ、売ってません」
「本当か?」
「はい」
私の答えを聞いて、彼はジッとこちらを見つめる
そのまま、次の質問をしてくる
「わかった、それは信じよう。だが、情報は売ってないが、《百夜教》には組している。違うか?」
「違いま……」
「それは信じない。おまえには動機がある。俺たち柊家への恨みがあり、《百夜教》と組むメリットを感じる可能性がある」
なら最初から聞くなよ
そう思うが、顔には出さない
ただ笑みを浮かべ、彼に言う
「私が柊家に恨みなど持っておりません」
「幼少期の頃、あいつを柊家が引き取ったことを恨んでいる。おまえが今ここにいることが証拠だ。深夜を取り戻すために、ここに来たんだろう?」
私はそれに、やはり微笑む
「違います。兄が柊家の養子に選ばれたことを、私は光栄に思っています。ここへ来たのは、兄に憧れを抱いたからです。彼の姿を一目見たいと。だから、この高校を選びました」
私の言葉を聞いた後、彼は言う
「……まあいい。それが嘘なら、すぐに吐くだろう」
彼が不意に、手を挙げる
瞬間、周囲に殺気が膨れ上がった
体育館の中に、五ヶ所
そこから、針か何かが飛ばされる
恐らく、麻酔薬が塗られている
防いでも意味がないので、その針を全て体に受ける
少しして強烈な眠気が襲ってきた
力が抜け、床に倒れこむ
暮人が言う
「起きたら自白剤だ。それまではゆっくり眠れよ、白鳥A」
そこで、私は意識を失った
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赤否棋聖(プロフ) - すっごいすっごいすぅっごい面白いです！！ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 16時) (
レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます！掛け持ちをしているので更新は遅くなりますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年11月17日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
碧 - とても面白いです！大変だと思いますが、更新頑張ってください！ (2017年11月12日 19時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - まりなさん» そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます。 (2017年8月9日 20時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
まりな - もちもちさん» 返信ありがとうございます。私はセラフの夢小説でこの作品が一番好きで毎日楽しみにしています！ (2017年8月3日 14時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年3月8日 22時
