内部調査 ページ8
三日後の学校
この三日間で梅雨入りしたのか、今日は朝から雨が降ったり止んだりしている
窓側の後ろから二番目の席
グレンの前の席に、私は座っていた
教壇では、担任が生徒たちに話しかけている
「えー、みんなわかっている通り、四月に受けた襲撃によって、私たちは仲間を、同胞を、未来の『帝ノ鬼』のエリート候補生を半分も失ってしまいました。まずはそこで失われたクラスメイトたちのことを思って、今日も黙祷しましょう」
クラスメイトたちが、目を閉じる
空気を読んで、私も目を閉じた
あの事件以来、毎日のように黙祷を行っている
そうすることにより、生徒たちの結束ややる気を高めるつもりなのだろう
あの事件で友人が沢山死んだ
でも、その友人の顔さえも、もう覚えていなかった
私にとって、彼女らはその程度の存在だったのだ
……自分でも、薄情な奴だと思うよ
そこで、黙祷が終わる
担任の話が再開された
「さて、今日は重要な話があります。あの襲撃により、皆さんの実力を確認するために最も大切な、選抜術式試験が中断されてしまいました」
担任が続ける
「なので突然のことですが、実力を診断するために、評価が終わっていない生徒を、今日、再度試験をすることになりました」
生徒たちが騒めく
しかしそれに、担任は少しだけ微笑み、
「このクラスの生徒の実力はほとんど評価が終わっていたので、安心してください。評価が終わっていないのは……Aランク評定に決まっている、柊深夜様。更に十条家の子女、美十さんと、五士家の典人さん」
立て続けに、クラスの実力者の三人の名が上がる
私には関係のないことだな
評価は既に、終わっていたはずだ
私は窓に視線を向ける
「……そして、最低ランクに決まっている、一瀬家のクズの、四人が招集を受けています。十条美十さん、五士典人さんは、8時30分に。柊深夜様と、一瀬グレンは9時に________」
校庭では、雨でも修練が行われていた
雨だからこそ、ぬかるんだ足場で実力を出すための訓練が、行われている
その光景をぼんやり眺めていると、担任に名前を呼ばれる
「最後に、白鳥Aさんにも、招集がかかっています」
その言葉で、私は前を見る
生徒たちの視線が一斉に、こちらに集まる
「ST終了後、すぐに体育館に来るように、と」
……内部調査か
私は時計を見る
もうすぐ、STが終了する時刻だ
その時計を見つめ、私は小さく溜息を吐いた
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赤否棋聖(プロフ) - すっごいすっごいすぅっごい面白いです！！ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 16時) (
レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます！掛け持ちをしているので更新は遅くなりますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年11月17日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
碧 - とても面白いです！大変だと思いますが、更新頑張ってください！ (2017年11月12日 19時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - まりなさん» そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます。 (2017年8月9日 20時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
まりな - もちもちさん» 返信ありがとうございます。私はセラフの夢小説でこの作品が一番好きで毎日楽しみにしています！ (2017年8月3日 14時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年3月8日 22時
