柊シノア ページ5
「……撒けたかなぁ」
監視の気配は、もうない
それに私は小さく頷いてから、大通りの方へと出る
『あ』
そこで、なぜかグレンと遭遇した
グレンが顔を顰め、聞いてくる
「おまえ、何でここにいるんだ?」
「君こそ何でここにいるの?」
「質問を質問で返すな」
呆れたようにグレンは言う
おそらくグレンも監視を撒いてきたのだろう
いやぁ、お互い大変だよね
そこで、前方に一人の可愛らしい少女が立っていることに気づく
年は七、八歳ぐらいだろうか
子供のわりには醒めた瞳
透き通るような、白い肌
そして何より珍しい、灰色の髪
少女はじっと、こちらを見つめている
少女が聞く
「……一瀬グレンと白鳥Aですね?」
私はそれに、優しげな笑みを浮かべる
そして彼女と視線を合わせ、言う
「そういう君は?」
すると少女はへらへらと笑う
こちらに頭を下げて、名乗ってくれた
「私は柊シノア。柊真昼の、妹です」
「それは失礼致しました。では、真昼様の妹様が、私に何の御用でしょう?」
「姉からの伝言を伝えに」
と、いうことらしい
つまり、彼女は真昼からの使者なのだ
彼女の言うことが本当ならば、の話だが
私はグレンを見上げる
グレンはというと、にっこり笑っていた
正直に言おう、気持ち悪い
というか、一周回って面白く感じてしまう
グレンはその笑顔のまま、聞く
「真昼様からの伝言?それはいったい……」
「ああ、その気持ち悪い笑顔は、いりませんよ。あなたたちの正体はもう、姉に聞いて知ってますから」
「え?」
「と言っても信じてもらえないでしょうから、私の持ってる情報を、少し。《百夜教》。《鬼呪》の武器。恋しい男のために力を求める、柊真昼。これでどうでしょう?」
そこまでバレているのでは、私たちの野心についても割れているはずだ
グレンもそう思ったようで、あの気持ち悪い笑みを消す
「そうか。で?俺に何の用だよ、ガキ」
「ちょっとグレン、子供相手にそれはないでしょ〜」
私は笑いながら言う
シノアちゃんも楽しげに笑う
「その変わりよう。でもずっと魅力的になりましたよ」
「ガキに褒められても嬉しくねぇよ」
「そうですか。でもまあ、私としては、姉が思いを寄せ続けた人が、くだらない男性でなくて、良かったです」
姉が思いを寄せ続けた、人
その結果暴走し、《鬼呪》などという禁呪に手を出してしまった、真昼の気持ち
グレンも罪な男だよねぇ
私はグレンを見て、呆れたように笑った
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赤否棋聖(プロフ) - すっごいすっごいすぅっごい面白いです！！ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 16時) (
レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます！掛け持ちをしているので更新は遅くなりますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年11月17日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
碧 - とても面白いです！大変だと思いますが、更新頑張ってください！ (2017年11月12日 19時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - まりなさん» そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます。 (2017年8月9日 20時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
まりな - もちもちさん» 返信ありがとうございます。私はセラフの夢小説でこの作品が一番好きで毎日楽しみにしています！ (2017年8月3日 14時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年3月8日 22時
