監視者 ページ3
「おい、聞いてんのかよ、クズ!」
と、一人の生徒がグレンの胸を蹴った
一瀬グレン
分家、一瀬家の次期当主候補だ
彼はまだあんな演技を続けている
それに生徒たちは気づくこともなく、笑う
馬鹿みたいに笑う
すると隣で深夜が彼らに言った
「おいおい、弱い者いじめはそのくらいにしとけよ。一瀬のクズ菌が感染るぞ」
グレンがこちらを見る
だが、他の生徒たちの反応の方が、速い
「あ、深夜様⁉」
女子たちの嬌声が上がる
だが、深夜はそんなものを一切相手にせず、続けた
「そのクズを虐めるのは僕がやるから、他のみんなは自分の修練をしなよ」
たったそれだけで、グレンの周りから人がいなくなる
ここは、そう言う場所だった
持って生まれた素性が、全てを決める場所
深夜がグレンに近づく
私も彼を追いかけようとしたが、何処からか視線を感じた
……監視だろうか
しかも、かなりの実力者だ
かなり優秀なものでも、気づくことはできないだろう
しかし、監視されるようなことをした覚えはない
だが、そこであることを思い出す
四月の襲撃のことについて
あの襲撃のされ方は、明らかに内部の手引きがなければ不可能だった
つまり、内部調査が始まったのだ
おそらく、『帝ノ鬼』の奴らは、真昼の裏切りには気づいていないのだろう
彼女は当主の柊天利に、信用されていたから
そして、今は私が疑われていると言うわけだ
グレンの方が疑われているとは思うが
この学校で、柊家に恨みを持っている部外者
それはずっと馬鹿にされ続けている一瀬家と、幼少期に兄を奪われた私
『柊家』はおそらく、私が深夜の妹だということは既に知っていたのだろう
彼奴らは、私よりも私のことを知っているのだから
ならば、気づいていない振りをしていた方がいいだろう
私は疲れたように首を回し、視線を感じる方へと一瞬だけ視線を向けた
そこには、一人の男が立っていた
黒髪に、理知的な、冷たい目をした男
その、男の視線に捉われぬよう、背を向ける
柊の者だろうか
後で深夜に聞いておこう
「……うーん、面倒なことになったなぁ」
なんて呟き、この場を後にした
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赤否棋聖(プロフ) - すっごいすっごいすぅっごい面白いです！！ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 16時) (
レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます！掛け持ちをしているので更新は遅くなりますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年11月17日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
碧 - とても面白いです！大変だと思いますが、更新頑張ってください！ (2017年11月12日 19時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - まりなさん» そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます。 (2017年8月9日 20時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
まりな - もちもちさん» 返信ありがとうございます。私はセラフの夢小説でこの作品が一番好きで毎日楽しみにしています！ (2017年8月3日 14時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年3月8日 22時
