許嫁 ページ11
青年も驚いたように目を見開く
それから慌てて暮人に言う
「く、暮人様、よくお考えください。あなた柊家の次期当主候補で、彼女はただの一般人。とても釣り合うとは思えません」
「だからなんだ?それにこいつは深夜の妹だ。ただの一般人じゃない」
「ですが……」
「俺が決めたことだ。口出しするな。それとも『柊』の俺に、逆らう気か?」
そこで、青年が黙る
『柊』の名を出されたら、黙る他ないだろう
私としては、もう少し頑張って欲しかったけれど
暮人はこちらを見下ろし、言う
「白鳥A。俺の許嫁になれ」
「はは、命令形かよ」
「ああ、命令だ。俺に忠誠を誓え」
私はそれに、呆れたように笑う
そして彼を見上げ、言った
「……わかった、君に忠誠を誓おう」
「それは、俺の許嫁になることを受け入れたということか?」
「『柊』様の命令だからね」
私の言葉に彼は満足そうに微笑む
そして青年に命じた
「拘束を解いてやれ。こいつは今日から俺の許嫁……」
その途中で、私は腕の関節を外し、拘束から腕を抜く
最初からいつでも、逃げることはできたのだ
「あっ……」
それに青年は驚いたようにこちらを見る
しかし暮人は驚かない
ただこちらの様子を伺い、
「少しやつれた。今日はもう、休め」
こうなったのも、全部君のせいなんだけど
そう言いたくなるのを耐え、笑う
そして言う
「いきなり優しくなったね」
「何せ、許嫁だしな」
「はは、君の父上が許すとは思えないけど」
「ちゃんと、俺から話を通しておくさ」
なんて言って、彼は踵を返す
それをぼんやり見送る
彼が部屋を出たところで、青年は急に態度を変えて、頭を下げてくる
そして、
「……この度は、大変な失礼をいたしました、白鳥A様」
などと言われる
……ほんと、くだらないな
私は頭を下げる青年に曖昧な笑みを返し、部屋を出る
周りに人がいなくなった瞬間、笑みを消す
それから大きく溜息を吐き、
「……面倒なことになったなぁ」
気怠げに、呟いた
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赤否棋聖(プロフ) - すっごいすっごいすぅっごい面白いです！！ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 16時) (
レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます！掛け持ちをしているので更新は遅くなりますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年11月17日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
碧 - とても面白いです！大変だと思いますが、更新頑張ってください！ (2017年11月12日 19時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - まりなさん» そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます。 (2017年8月9日 20時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
まりな - もちもちさん» 返信ありがとうございます。私はセラフの夢小説でこの作品が一番好きで毎日楽しみにしています！ (2017年8月3日 14時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年3月8日 22時
