プロローグ ページ1
陽が、強くなってきている
初夏だ
「……暑いなぁ」
私はそう、小さく呻く
場所は第一渋谷高校の、演習場
私は手を仰ぎ、少しでも涼もうと頑張っていた
結果、涼しくなる予感さえも感じられなかったが
そこで、隣から声が聞こえた
「A、暇そうだねぇ」
妙に爽やかな、すかした声
私は半眼で声が聞こえた方を見る
そこには私とよく似た容姿の美青年がいた
「深夜」
その、青年の名を呼ぶ
柊深夜
生き別れた私の双子の兄である
特権階級の最上位に属する彼は、クラスの注目を嫌というほどに浴びている
「暇じゃないよ。グレンのいじめられっぷりを見るのに忙しい」
「ははは、悪趣味だなぁ」
なんてくだらない会話をしながら、周囲に目を配る
クラスメイトの顔ぶれは、入学当初とは違う
四月にあった正体不明の組織からの襲撃で、生徒が半分以上殺されたのだ
特に実力の足りない一年生の死亡者数は多かった
600人いた生徒が、今ではたったの180人という有様だ
クラスも五クラスまで減り、クラスメイトの顔ぶれは半分以上も変わった
そのお陰で、深夜やグレンたちと同じクラスになることができたのだが
しかし、それでも『帝ノ鬼』の生徒たちがやることは、変わらない
分家の一瀬を馬鹿にし、自分たちがいかに特権階級であるかを誇示し、そして、柊の血を引いている人間を崇拝する
そんな声が、今日も至るところから聞こえていた
私は眩しい日差しに灼かれないように伏せていた目を、上げる
視線の先には、ギラギラと輝いている太陽
それに私は目を細め、
「……暑いなぁ」
また、呻くように呟いた
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赤否棋聖(プロフ) - すっごいすっごいすぅっごい面白いです！！ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 16時) (
レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます！掛け持ちをしているので更新は遅くなりますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年11月17日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
碧 - とても面白いです！大変だと思いますが、更新頑張ってください！ (2017年11月12日 19時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - まりなさん» そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます。 (2017年8月9日 20時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
まりな - もちもちさん» 返信ありがとうございます。私はセラフの夢小説でこの作品が一番好きで毎日楽しみにしています！ (2017年8月3日 14時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年3月8日 22時
